カリフォルニア州にある世界最大級の太陽光発電所
Worlds-Largest-Solar-Power-Plant-California_02
引用:http://mysuperpost.com/wp-content/uploads/2014/02/Worlds-Largest-Solar-Power-Plant-California_02.jpg

経済産業省が電力・ガスの自由化を進めようとしている。

新規事業者の参入を促して市場競争を起こし、電気を値下げさせるそうである。

しかし10年前にこれをやって大失敗した国があり、アメリカでは自由化で停電が頻発するようになり、電気料金は2倍になった。


欧州でも自由化した国は電気料金が上がり、失敗している。

なぜ自由化すると電気代が上がるのか?

政府が値段を統制していたのに、統制をなくしたら値上がりするに決まっている。
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カリフォルニアの失敗とテキサスの成功

テキサス州の自由化は全てを自由化したのではなく75%の地域の中の民営電力会社だけを自由化し、国営(州営)発電所は従来のままとした。

しかも民営電力に対しても、一部を解放させただけで、電力の大部分は自由化しなかった。

テキサスに5社存在した民営電力のうち、市場占有率20%を超える会社は資産売却で、シェア20%以下にした。。


自由化は40万kW以上の発電設備を有する発電事業者の電力量の15%のみとする。

要するにテキサス州の電力のうち、自由化されたのは10%未満である。テキサスには日本の電力のように独占体制があって、これを分割して新規参入を促すのが目的だった。

日本でいえば電力よりも、電電公社が分割し、さらにNTTも分割自由化して新規参入させたのに似ている。


自由化であっても『管理された自由』で自由競争は存在しない。客はドコモとauとSBから選べるが、どれを選んでも変わらない。

この結果テキサス州では家庭向け、事業者向けともに新規事業者のシェアが50%を超え成功したと言われている。

もっともテキサスはアメリカの全ての州の中で最も成功した例で、例外中の例外と言える。



自由化したら電気料金が上がった

なぜテキサスだけ成功したかと言えば明確な理由があり、全米で最も家庭当たりの電力消費量が多い。

なんと日本の家庭の4倍、全米平均の2倍も消費している。
電力消費が多いので、新規参入者にとって『絶対に儲かる』という事になり事業者が殺到した。

電力消費が少なければ魅力が無く、自由化しても電力が不安定になるだけである。


テキサス州では自由化が成功したのだが、肝心の電気料金はどうなったかというと、自由化以降に急激に値上がりしている。

テキサスに殺到した新規事業者は新たな発電や送電設備を建設するので、客に請求した。

当たり前の結果で、なんと自由化前の80%も値上げした。


電力会社側は石油価格の上昇が原因だったと主張しているが、逆に言えば自由化によるコスト削減など、燃料価格の変動に比べて、数字に表れないほど微小なものだった。

石油価格の上昇で値上げしたと主張した電力会社は、シェールガスで安い燃料を使用するようになっても値下げしていない。

全米で最も成功したテキサス州ですら、自由化は失敗した。



カリフォルニア州の失敗

では次にカリフォルニア州の失敗を見てみよう。

カリフォルニアではテキサスの『中途ハンパな自由化』ではなく、より完全な形で行われた。

まず自然エネルギーや再生可能エネルギーの買取りを義務化した。


電力の値上げは日本と同じ認可性で、自由化後の値上げを禁止した。

環境に悪影響を与える発電は禁止され、原発も諸問題から建設できなかった。

代わりに州が進めたのが水力や太陽や風力のような地球にやさしい発電方式だったが、実際は水力発電に依存した。


2000年に諸問題から燃料価格や発電コストが上昇したが、電力料金の値上げは禁止されているため、発電が赤字になった。

家庭で1時間エアコンをつけると10ドル(千円)電力会社が赤字を増やした。

カリフォルニアでは他州から電力の供給を受ける設備が不十分で、州内で発電しなければならない。


何もかも日本に似ているのである。

公式には電力の値上げは規制されていたため、電力の闇取引のような事が横行したという。

赤字を増やし続けた最大手のパシフィック・ガス&エレクトリック社が2001年に破綻した。


この後カリフォルニアを中心に全米で大規模停電が頻発して、政府の安全保障問題にまで発展した。

アメリカの電力自由化は何一つ成果を得られず、料金が2倍になっただけで終わった。

今まで政府が価格統制していたのを自由化したから、業者は一斉に値上げしたのである。

こんな事を日本の自由化論者は望んでいるのだろうか?


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