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H2Aロケット29号機が、初めて外国の商業衛星のために打ち上げられました。

29号機は今まで300キロの高度しか上昇できなかったのに対し、3万キロ以上の軌道まで上昇できる。


初の商業衛星打ち上げ成功

11月24日午後、日本初の外国から受注した商業衛星を打ち上げるためのロケット打ち上げが行われました。

今まで日本は小型の商業衛星を「ついでに」搭載して打ち上げたことがあり、外国の衛星を打ち上げた事もありました。

だが外国から受注した商業衛星のためだけに大型ロケットを打ち上げたことは無く、初めての受注成功でした。
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種子島から発射されたのはH2Aロケット改良型で、到達高度が300kmから3万6千キロに大幅に高くなっています。

搭載したのはカナダ「テレサット」社の通信放送衛星で、3万6千キロの静止軌道に投入されます。

今までのH2Aは大気圏を脱するとすぐに燃焼を終了したため、必要な高度までは人口衛星の燃料噴射を使用していました。


今回のH2Aは2段目ロケットの改良などで飛行時間を30分から4時間以上に延ばし、種子島から欧米などの衛星を打ち上げ可能にしました

今までのH2Aは赤道から離れた場所から打ち上げ、高度も足りないために、静止軌道の遥か手前で衛星を切り離していました。

種子島からH2Aで打ち上げ可能な人工衛星は世界の7%しか存在せず、商業衛星打ち上げは事実上不可能でした。


防衛省の偵察衛星や日本が打ち上げる人工衛星は、わざわざH2Aで打ち上げが可能な専用設計をしてあります。

搭載した放送衛星の重量は約4.9トンで、成功すれば世界の人工衛星の半数をH2Aで打ち上げが可能になります。

今まで日本は商業衛星の打ち上げ受注を目指していたものの、性能不足とコストの問題で失敗し続けていました。



コストの問題、実は無かった

日本の宇宙ロケットの打ち上げ費用は主要国で最も高く、価格競争力が無いと言われ続けてきました。

だがこの指摘はおかしな話で、例えばロシアは軍事ロケットや核ミサイルと一緒に開発して、巨大な打ち上げ基地も持っています。

アメリカ、欧州、中国も同様で、桁違いの金額を軍事用ロケットにつぎ込んでいます。


諸外国は宇宙開発の費用の大半をコストに含めておらず、文字どうり「打ち上げに掛かった費用」だけを公表しています。

「はやぶさ2」を打ち上げたH2Aは約100億円ですが、これにはロケットの開発費用や種子島の設備費などは含んでいません。

ロケット1基を打ち上げる総額を考えると、開発費用と設備運営費、ひいてはJAXAのような組織を維持するための費用も必要になります。


日本の宇宙予算は3000億円程度で、しかも半分以上を気象庁などが取ってしまうので正味は2000億円以下となっている。

対してアメリカの宇宙予算は総額4兆円近くあります。ロシア、中国は非公開ですが兆円単位を宇宙予算に投じています。

欧州宇宙機構の公式な予算は3000億円ですが、これは核保有国などの軍事予算を含まない、まやかしの数字です。


日本の最新の大型ロケットH2Aは前身になったH2の改良型、H2BはH2Aの改良型です。

したがってH2Aの総開発費はH2+H2Aの開発費になります。同様にH2Bの総開発費はH2+H2A+H2Bの開発費になります。

H2Aの総開発費は4282億円で、H2Bの総開発費は4552億円でした。



外国のロケットが安い理由


H2Aを元にH2Bを開発した費用はわずか250億円で、H2、H2A、H2Bは合計37回打ち上げて34回成功しています。(2014年まで)

打ち上げ一回当たり開発費は133億円になり、打ち上げ費用はH2Aが約100億円、H2Bが約140億円となっています。

開発費と打ち上げ費用の合計ではH2Aが233億円、H2Bが240億円でした。


マスコミが賞賛する欧州宇宙機構のアリアンVの開発費は約1兆500億円、打ち上げ回数73回のうち69回が成功しました。

打ち上げ一回当たり開発費は152億円で、H2シリーズより高いです。

一回当たりの打ち上げ費用も200億円でH2の100億円の2倍だが、打ち上げ重量もH2Aの1.5倍から2倍です。


合計ではアリアンVを1回打ち上げるのに掛かっている総額は352億円で、H2Aは233億円、H2Bは240億円でした。

種子島発射場の運営費はアリアンスペースの発射施設より安いので、実際はもっと日本の方が安いはずです。

アメリカやロシアや中国も事情は同じ筈ですが、米中露は民間企業ではないので、詳細は公開されていません。


では欧米中露のロケット打ち上げが安いと言われるのは何故かと言うと、政府が赤字を負担して値引きしているからです。


「日本のロケットが高い」は実は逆に日本の方が安く、外国は政府が赤字を負担して、安く打ち上げているのです。


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