原発でも太陽でも、いずれ老朽化するのは同じ
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引用:http://www.newsweekjapan.jp/ishii/assets_c/2015/09/DSC00848aa-thumb-720xauto.jpg


ゼネコンの収益がついにバブル全盛期を上回り、不動産向け融資もバブル期を上回りました。

それと共に人手不足がより深刻化し、数百万人の建設労働者が不足すると言われています。


ゼネコン収益がバブル超え

建設業界はアフリカの生態系のようにゼネコンが王者として君臨し、生態系全体のバランスを保っている。

サバンナと違うのはゼネコンが生態系下位を下請けや孫請けとして支えていて、下請け企業もゼネコンを支えている。

大手ゼネコンを見れば建設業界全体がどうなっているかが、およそ分かります。
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2016年3月期(2015から2016)の通期決算は大手4社揃って、過去最高益に迫るか更新する勢いなのが分かりました。

大成建設、清水建設、大林組、鹿島建設ともに前期より大幅に増益となり、鹿島は前期が赤字だったが大幅回復を見込んでいます。

東北地震の復興事業が続いているほか、2013年からの公共工事増加、インフラ老朽化による更新など潜在需要の増加が続いている。


ゼネコン業界は1990年台に「日本の借金を作った元凶」といういわれの無い濡れ衣を着せられ、公共事業費を削減されました。

だが日本の公的債務と公共事業費のグラフを見れば一目瞭然で、公共事業費を減らせば減らすほど借金が増えています。

公共事業費に使ったお金は下請け、孫請け、製造、労働者、サービス業など社会に循環し、使ったお金以上の税収が帰って来るからです。


公共事業費を減らしたら節約した以上に税収が減るのは当たり前だし、安倍首相が公共事業を増やしたら税収が増えたのも当然でした。

変わって不安材料になっているのが建設業の人手不足で、実際東北地震の復興費用の多くが使われず先送りになってきました。

作業員や職人が足りないために、復興事業で事業者を募集しても入札ゼロという事態が起き、翌年回しにしてきました。



職人不足の恐怖社会

地震から4年後の2015年になってようやく多くの復興事業が進展し始めたというから、人手不足は恐るべしです。

今後は東京オリンピックの特需に加え、バブル期に中心だった熟練職人が大量に退職し、建設業全体で100万人以上が不足すると言われています。

建設業界の終業人数はピーク時の1995年に650万人を超えたが、2010年には450万人を下回っていました。


その後も減り続けたので、以前の仕事量すら就業人数の減少でこなせないのが分かります。

しかも職人の質の低下も起きていて、バブル期より若者の専門技能が落ちているという話です。

昭和期には親方に頭を殴られるのは当たり前だったが、今は教え方も優しいので真剣味が違うのかも知れません。


年齢構成もいびつで、バブル期には30代から50代前半の中堅層が最も多く、次いで30代前半以下の若者が多かった。

現在は55歳以上の高齢者が最も多く、次が中堅で、若手が最も少ないという典型的な逆ピラミッドです。

現在の高齢職人が現役のうちに、若者が多く就職し技能を取得しないと、次の時代には公共施設が壊れても補修できなくなります。


欧米とかアジアでは道路が陥没したり、公共施設が壊れて動かないのは当たり前で、今まで日本人は笑って見ていました。

だが「水道管が破れたのに誰も修理に来ない」ような社会が目前に迫っています。

世の中のあらゆる物が職人の技能に支えられていて、グーグルやアップルは何もしてくれません。


東海道新幹線も老朽化し、そのままでは使えない
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引用:https://secondary.niume.com/pic/post/a72a1436-fbd5-43e4-bb71-07b5bde5f6d9_post.jpg



大量の建設労働者が必要

金融機関の不動産業向け融資がついにバブル全盛期を上回り、過去最高水準になったのが分かりました。

銀行などの不動産への2014年度の新規貸し出しは10兆円を超えて、バブル全盛期にほぼ並びました。

金融庁は融資焦げ付きなどの「バブル崩壊再来」を警戒しているが、今のところそこまでのバブルでは無いようです。


バブル期とはとても現在程度の事ではなく、「ゴルフ会員権」のようなただの紙切れが数億円の価値を持っていました。

不動産屋は土地の買収に応じない地権者に、ダンプカーを突っ込ませて家ごと破壊したりもしていました。

現在は地価は上がったものの、社会全体では加熱と程遠い気がします。


不動産に融資されたお金は相続税対策のタワーマンションブームなどになりましたが、それも一段落ついたようです。

都内のマンションは飛ぶように売れていましたが、最近では工事着工前に既に売り切れなんて事はなくなりました。

今までが異常だったのですが、1億円を超える「億ション」の成約率は7割程度に下がったそうです。


日本の将来を揺るがすかも知れないと言われているのが「インフラ老朽問題」であらゆる物が老朽化しています。

昭和40年代からバブル期に建設された現在の日本のインフラは、一斉に寿命を向かえ、いずれ全て更新が必要になります。

つまり「日本をもう一度作る」大工事が日本中で必要になるという事です。



インフレは良い事

鉄道、道路、橋、原発など発電所、水道施設、病院やマンションなど、身近にある昭和っぽい物全てが寿命を迎えます。

昭和39年開通の東海道新幹線も、老朽化に耐えられず延命工事を行う事になっていて、東京タワーも立派な老朽建造物です。

そうした設備全てを新築するか、新築に匹敵するお金を掛けて延命工事をしなければなりません。


その為には数百万人の建設業就労者が新たに必要なのですが、働く人にとってはビッグチャンスなのです。

建設業が必要な労働者を確保するためには賃金を上げるしかなく、これからもどんどん上昇するでしょう。

インフラ工事は国や自治体が発注しますが、公共事業は掛かった人件費を上乗せするので、実は建設事業社の腹は痛まないのです。


こうした値上げの循環が「インフレ」で、デフレに陥る前の日本は、上がった賃金を国や自治体に請求できていました。

それを人件費の節約は良い事だという人が賃金カットを始めてデフレを引き起こしてしまいました。

建設業の人件費が上がって国に請求する事は良い事であって、そうしてこそ好景気になるのです。

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