ブラジル経済は天まで翔け上がるかに見えたが、資源バブルだった
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引用:http://wallpaperswiki.org/wallpapers/2012/10/Christ-The-Redeemer-Rio-De-Janeiro-Brazil-600x1024.jpg


南米の盟主ブラジルは、リーマンショック時にはアメリカに代わる大国になるとすら言われました。

だがブリックスの他の国と同様、資源価格高騰が引き起こした一時的な経済ブームに過ぎなかった。


ブラジルの奇跡は起きなかった

数年前ブリックス(BRICs)という言葉が流行し、ブラジル、ロシア、インド、中国の4ヶ国の頭文字を差していた。

将来有望なこの4カ国が、米日英仏独に代わって経済の覇権を握ると言われていました。

今ではこの言葉は冗談にしか聞こえないほど、世界に不況を撒き散らしている4カ国になっています。
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最初に失速したのはロシアで、主要産業が石油と天然ガス輸出しかなく、原油価格暴落と制裁措置で苦しんでいます。

次に中国はアメリカを超える超大国になるのは確実と言われたが、今はどこまで没落するかが議論されている。

インドは人口が多い以外のとりえが無く、少し成長しては混乱するループを繰り返している。


ブラジルは南北アメリカ大陸でアメリカに次いで人口が多く、大国の仲間入りをすると見られていました。

ブリックスという造語でブラジルが注目されたのは2001年で、この頃の経済成長率は2から3%に過ぎなかった。

それが2004年から2010年にかけて時おり5から7%の急成長をするようになりました。


世界の投資家は「さあブラジルが本気を出し始めた」と考え、株価や地価を吊り上げて産業への投資を行いました。

ブラジル・リオのオリンピック開催が決定したのは2009年で、正に急成長の真っ只中でした。

ただし2004年から2010年の間も、3%台やマイナス成長の年があり、今思うと資源価格高騰など一時的要因だったようです。



典型的な中南米型不況

新興国が急成長すると必ず引き合いに出されるのが日本で、東京オリンピック後の日本のようにブラジルは成功すると思われました。

だが2010年の7.5%成長をピークに成長率は低下を続け、2015年はマイナス3%成長に転落しました。

続く2016年もマイナス成長が確実視されていて、ブラジル発の中南米危機が来ると言われています。


2011年から2014年にかけて、ブラジルが得意とする石油・資源・穀物は高かったのに、平均成長率は2%だった。

政府は景気対策に金融緩和を行ったが、景気は悪化しインフレを引き起こしました。

外国勢は投資を引き上げて、元の混乱した、代わり映えしないブラジルに戻ってしまいました。


失業率は7%から10%の間だが、景気悪化によって10%を超えると予想されています。

どの国でもそうですが「失業率」は政府に失業手当など支援を求めた人数に過ぎず、無職の人は2倍から3倍は存在します。

すなわち現在ブラジル人の2割から3割は失業状態とみられています。


同時にインフレによって実質賃金が低下しているので、消費も停滞しています。

通貨のレアルは下落を続けていて、輸入品の高騰を招きインフレに拍車を掛けています。

こうした苦境の原因世界経済の低迷で資源価格が暴落した結果だが、輸出に依存する体質は自ら作ったものだった。



30年ぶりの経済危機

ロイターによるとこれほどブラジル経済が悪化したのは約30年ぶりで、あらゆる経済指標が悪化しています。

ブラジルは2000年代に資源価格高騰で巨額の輸出利益を得て、急激な経済発展を遂げました。

ところが最近2年ほどで多くの資源価格は半値以下に下落してしまい、ブラジルは利益の柱を失いました。


最初の数年、ブラジルは巨額な公共投資で補って経済を活性化しようとしたが、借金を増やしただけでした。

そこで政府は公共支出を減らす「緊縮財政」に舵を切ったが、当然経済はより一層悪化してしまいました。

こうした一連の対策は経済が悪化した国はどこでもやるもので、政府が特に酷かったとは思えない。


根本的には資源価格が再び高騰するしかブラジルが復活する方法は無いが、すぐにはそう成りそうもありません。

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