夏以降に渡米し試験飛行が本格化するMRJ
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引用:http://ic.pics.livejournal.com/vokinburt/13300152/1699517/1699517_900.jpg


MRJは初飛行後に主翼の強度不足が分かり、またもや納入延期が発表されました。

2002年当初の三菱の開発費負担は250億円の予定だったが、現在は3300億円と発表されています。


MRJ、アメリカに渡る

三菱航空機は12月に予定していたMRJの米国での試験飛行を、夏から秋に前倒しすると発表しました。

同時に開発人員を拡充し、外国人や外部から400人のスタッフを新たに雇用する事も発表しました。

MRJは2015年11月に初飛行したが、初号機の納入は17年4月から18年に1年間延期されていました。
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延期理由は主に主翼の強度不足で、ANAへの納入は1年遅れるが、他の顧客への納入期限は守られるという。

MRJの試験飛行は断続的に行われているが、米国への回送飛行成功が当面の試金石になります。

飛行ルートは「北海道からベーリング海、アラスカを経てワシントン入り」を島伝いに飛ぶ案が有力になっている。


「名古屋からサイパン、ハワイを経てワシントン入り」ルートは地図上では近いが現実には遠くなるうえ、島伝いではない。

ワシントン州の空港なら1機で1日3回の飛行が可能になるので、現在の数日に一度の飛行より開発が早まります。

このため日本で行う予定だった試験を先送りして、米国でまとめて実施する事にしました。


米国での型式証明の取得には2500時間の飛行が必要で、4機で1日4回、週50時間飛行する予定です。

試験に向けて日米合わせて400人を増員する他、米国シアトルの技術センターでは別に100人を採用します。

MRJの開発製造に当たったのは名古屋小牧工場だが、同工場では防衛省のステルス技術実証機を同時開発していました。



開発費負担は250億円から3300億円へ増加

ステルス実証機はATD-Xと呼ばれていたが、2016年1月に「X2」と改められ、16年2月に初飛行すると発表されました。

X2は試験機なので飛行して不具合がなければ防衛省に引き渡して、新規開発としては終了することになります。

X2開発は山場を越えて、両方をやっていたスタッフは今後、MRJだけに専念する事ができます。


MRJ計画は2000年に最初の提案があり2002年に経済産業省が参加企業を募集し、三菱重工が計画案を提出した。

経済産業省の見積もりでは開発期間5年間で開発費は500億円、国と事業者が折半する事になっていました。

開発が始まったのは2008年で、当初は2013年に納入予定だったが、4度の延期で現在は2018年となっています。


開発予算は500億円から2006年には1200億円になり、採算ラインは350機と発表されている。

2008年の時点では15年納入、開発費1500億円、採算ラインは400機と変更されました。

そして2016年現在では18年納入、開発費3300億円、採算ラインは恐らく1000機以上、充分な利益を出すには1500機を売らねばならない。


今後も何かにつけてコストは増大する筈なので、三菱としては1500機を売らないと結局赤字になる可能性があります。

最初の計画では三菱は250億円負担するだけだったのだが、今は「社運を賭けた事業」になってしまっています。

経済産業省の見積もりは余りにも甘く、三菱以外が参加を表明しなかった理由がこれでした。


防衛省向けの哨戒機や戦闘機は、予算の何倍になっても結局防衛省は支払ってくれます。

だが民間機ならリスクはすべて事業者の負担になり、最悪の場合数十年間赤字を出す事業を背負い込む事になります。

折りしも三菱重工は豪華客船で数千億円の損失を出していて、もはや失敗は許されない所に来ています。

なおボーイングなどの部品生産を行っているので、三菱重工の航空機部門自体は儲かっています。

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