輸送機は積載量に比例して航続距離も長いものだが、C2は航続距離だけが長い。
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引用:http://image.photohito.k-img.com/uploads/photo36/user38766/eb0eb16dde4d47f9367f0313c09da32d/eb0eb16dde4d47f9367f0313c09da32d_l.jpg


自衛隊の新型輸送機C2がメディアに公開され、16年度から配備される予定です。

輸送機としては小型なのに航続距離だけが長いという、世界的に異色な構成になっています。


実は高性能ではないC-2輸送機

3月15日、航空自衛隊は新型輸送機C2試作機の、XC2の飛行などを岐阜基地で公開しました。

C2輸送機は、今までのC1輸送機に比べて搭載重量が増え、航続距離も大幅に伸びました。

開発費の総額は2600億円で、1機当たりの調達コストは200億円と予想されています。
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C-2の搭載量は約30トンで、C-1の8㌧、C-130Jの19㌧よりもかなり大きい。

12トン搭載で6500キロを飛行でき、このクラスの輸送機としては世界最高の航続距離を持っている。

そしてこれが同時に最大の欠点で、日本が大型国産輸送機に2の足を踏んできた理由でもありました。


米軍のC-17輸送機は1機250億円で、積載量77トンなので、積載量10t当たり約32億円になります。

C-2輸送機は1機200億円で、積載量30トンなので、積載量10t当たり約66億円と性能比で2倍も割高です。

C-17は279機生産され、C-2は30機を予定しているので、予定生産機数は10倍近い。


おそらくC-2も200機生産すれば1機当たりの価格は半分か3分の1になるでしょうが、その予定はありません。

自衛隊の物資輸送能力を高める観点からは、アメリカからC-17輸送機を購入したほうが得策でした。

強引ともいえる手法で国産輸送機開発を決断したのは森嘉朗首相で、彼には国産旅客機と国産戦闘機開発の野心もあった。



また小さすぎる輸送機を作った日本

2000年4月に小渕恵三首相が急逝し「神のお告げ」によって森嘉朗氏が首相に就任しました。

森首相は航空機産業の復活を国策として掲げ、国産戦闘機、国産旅客機、国産哨戒機、国産輸送機の計画を次々に準備させました。

森首相は1年後に退陣したが、同じ森派の小泉首相に計画は引き継がれ、安倍首相、福田首相、麻生首相にも引き継がれた。


2008年に民主党政権に交替し「仕分け作業」を始めたが、その時には計画が進みすぎて止められなくなっていました。

もしもっと早い段階で民主政権に交替していたら、これらの計画は間違いなく「仕分け」され廃止になったでしょう。

国産戦闘機はATD-X、哨戒機はP-1、輸送機はC-2、旅客機はMRJとそれぞれ計画が実現しようとしています。


航続距離は6500キロだが、この距離を飛行するには12トンしか積載する事ができません。

最大積載量は30トンだが、重いものを積むと燃料を少ししか搭載できず、燃費も悪化するので飛行距離は短くなります。

陸上自衛隊の10式戦車は、分解すると30トンくらいかも知れませんが、C-2で輸送は難しいでしょう。


96式装輪装甲車は14.5tなので積載できるが、機動戦闘車は26tなので分解しないと輸送は難しい。

89式装甲戦闘車26.5t、水陸両用車は26tなどC-2で運ぶには不自由なのが分かる。

アメリカ軍のC-17輸送機は最大77トンなので、主力戦車M1エイブラムス63t(フル装備)を分解せずに輸送できる。


米軍の輸送機は戦車を運べるようにしてあるが、日本の輸送機は野党の反対で性能を落としている。
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引用:http://sav-cdn.com/sites/default/files/imagecache/slideshows-wide/bC-17%20Abrams%20tank-5.jpg



自衛隊の海外派遣が容易になる

どうせ作るなら50トン以上輸送できるようにするべきだったが、また毎度お馴染みの野党の批判で小型化を余儀なくされています。

C-2の前のC-1輸送機、あるいは陸自の大型ヘリ調達でも、社会党や民主党のような政党が、性能を落すよう圧力を掛けました。

「戦車を輸送できる輸送機など憲法違反だ。絶対に許さない」と反対し、いつも日本は性能を意図的に落としてきました。


C-2ももう少し積載量を大きくすべきだったのに、野党の反対で大型装甲車を運べないようにしてしまいました。

とはいえ、C-1より大幅に航続距離が伸びた事で、インド洋やアフリカに自衛隊を派遣し易くなります。

将来的により大型のC-17輸送機を導入するかも知れないが、自衛隊の海外派遣能力が大幅に向上するのは事実です。

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