輸出して儲けたらその分、円高になるのが変動相場制。
円高が嫌なら同じ金額を輸入すれば良い
japan-manufacturing_pmi_bwa113
引用:http://cdn1.i-scmp.com/sites/default/files/styles/980x551/public/2015/07/01/japan-manufacturing_pmi_bwa113.jpg?itok=ATxMMo5j


イギリスの国民投票やアメリカの雇用不安、中国不安などで、再び1ドル100円を割り込もうとしています。

円高の犯人は外国の投資家などではなく、日本自身が溜め込んだ経常黒字で、儲けた金が日本に戻ってきているだけです。


超円高を作り出しているのは財務省

2015年には1ドル120円を超えていた為替相場で円が急騰し、6月15日に1ドル103円をつけました。

財務省を中心に円高を牽制する発言が相次ぎ、為替介入も示唆しています。

しかしこの円高は元々財務省が作り出した経常黒字が原因なので、彼らの経済政策に問題がありました。

スポンサー リンク

2016年初頭に中国株や人民元の下落が起こり、為替相場が円高に進みました。

その後欧州経済が低迷して円高、テロで円高、米経済の低迷で円高と世界で何があっても円高に進んでいます。

東京都知事が辞任したら円高という具合で、イギリスのEU離脱の可能性が高まったとして、また円高になっています。


おそらくイギリスの国民投票でEU離脱が多数になると1ドル100円を割るでしょうが、それは理由づけに過ぎないと考えられます。

世界の機関投資家とか投資銀行は円を買う理由を探していただけで、何でも良かったのです。

円高になっている本当の原因は、過去50年の円高と同じく「経常黒字」でした。


東日本大震災の後、日本は貿易赤字になり「日本は終わった」「稼ぎ力がなくなった」とマスコミが騒いでいました。

「稼ぐ力」というおかしな造語を作ったのは財務省で、貿易黒字や経常黒字が多ければ、稼ぐ力が強いそうです。

「貿易黒字」は物の輸出入の収支で「経常収支」は投資など全てのお金の出入りを合計したものです。



輸出が日本をダメにしている

財務省や政治家、経済評論家らは「日本には稼ぐ力がなくなった」大変だと言って再び経常収支を黒字にしてしまいました。

財務省は経常収支といわず国際収支と言っていますが、震災以来一時的に赤字を出したが現在は大幅な黒字です。

2016年4月の国際収支は1.6兆円の黒字で、22ヶ月連続の黒字を達成中です。


財務省に言わせると「稼ぐ力を取り戻した」事になるが、不思議な事に2014年も2015年も経済はゼロ成長でした。

稼ぐどころか経常収支も貿易収支も、日本経済には貢献していなかったのです。

経常収支を赤字から黒字に転換させた手法は「円安」で、為替操作を繰り返して1ドル70円台から1ドル120円台にしました。


為替操作では「市場介入」が有名ですが、介入しなくても日本政府は「外貨調達」などの名目で10兆円以上のドルを買っています。

さらに金融緩和で円を余らせて、人為的にドルより安くなる政策を取りました。

円安になって経常黒字になった結果、その経常黒字はいつか必ず日本に還流して円高を引き起こします。


日本企業が輸出で1兆円儲けたら、海外で運用しますが、いつかは日本円に両替するでしょう。

従って経常黒字を増やしている国の通貨を買っておけば、いつかは必ず値上がりします。

外国の投資機関は日本が溜め込んだ経常黒字が赤字になるまで、円を買い続ければノーリスクで絶対に儲かります。


経常黒字を増やせば増やすほど、為替調整機能で円高になります
bpgaiyou201602b
引用:https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpgaiyou201602b.gif



経常収支は赤字で良い

では日本がハゲタカファンドの標的にならないためにはどうすれば良いかというと、「経常黒字」「円安」をやめてしまうことです。

円安にして輸出しても、いつか超円高で吐き出すのだから無駄であり、収支トントンくらいで良いのです。

日本の経常収支をトントンにするには輸入を増やせば良く、国内消費や国内投資が増えれば良いのです。


ところが「財政悪化を招く」として公共事業や減税に反対しているのも財務省で、一層日本経済を苦境に陥れています。

輸出を「稼ぐ力」というような感覚は戦前の考え方で、変動為替相場では輸出で儲かる事などありません。

輸入して貿易赤字にした方が、かえってドル安になって輸出を促進できるのは、アメリカが証明しています。


日本は新興国に投資したりお金を貸しているので、多少の貿易赤字でもトータルでは経常黒字になって丁度良いのです。

大体貿易収支や経常収支が常に黒字なのは、世界でも日中独など限られた国だけで、多くの国は赤字を出しています。

赤字だから低成長で後進国という事は無く、米英仏などほとんどの先進国は貿易赤字で経常赤字です。

つまり貿易黒字や経常黒字は実際には、経済成長と何の関係も無いのです。

スポンサー リンク


スポンサー リンク