民営刑務所に入ると「家賃」を取られるが、刑務所内の労働では絶対に払えず借金が増え続けるシステム。
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引用:http://media-cdn.timesfreepress.com/img/photos/2015/08/17/1439862646_06xx15x00_Silverdale.014_t755_h94214a7d48b9c4a9b44b610bffade95d3ca62abf.jpg


2000年代に民営化の象徴として華々しく報道された、アメリカの民間刑務所が、閉鎖される事になりました。

当時の小泉首相は「民営化すればすべて良くなる」と言って日本にも作ったが、何かいけなかったのでしょうか。


アメリカで民間刑務所閉鎖

2016年8月18日、米司法省は民間刑務所を段階的に閉鎖すると発表しました。

司法省よると民営刑務所は「サービス」が悪いうえに、公営刑務所より多く経費が掛かっていました。

アメリカで民営刑務所が始まったのは受刑者が急増した1980年代で、急増する受刑者に収容能力が追いつかなかった。

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刑務所不足の切り札として、病院経営の経験がある業者などが、次々に刑務所を創設した。

最大の刑務所企業は「コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ(CCA)」で、公営より低コストに充実したサービスが提供できるとしていた。

最盛期は2008年に全米で10万人近くの受刑者が収容された。


この頃日本では理想的な刑務所として報道され、国内でも民営の刑務所が試験的に作られました。

だがリーマンショック後にアメリカでは、民営刑務所が高コストのために、次々に閉鎖されていきました。

ある州では公営刑務所と比較して、民営刑務所は1人当たり1600ドル多く掛かっていました。



民営化で刑務所崩壊

高コストを改善するため、民営刑務所は経営改善するが、これが刑務所内の混乱を招いた。

刑務所の空室を減らすために受刑者の刑期を延ばしたり、受刑者から罰金やお金を徴収した。

さらに工場を作って受刑者を働かせ、働かせるためにまた刑期を延ばして労働力を確保した。


刑務所に「労働者」を送り込むために警察や検察、裁判所は微罪で懲役を課すようになった。

ある統計ではアメリカの成人男性の1割が刑務所に収容された事があった。(アメリカは数日でも刑務所に収容される)

刑務所で労働すると賃金が支払われるが、時給25円でしかなく、国家による奴隷制度という批判を受けていました。


時給25円は実は日本と同じなのだが、それぞれ刑務所で受刑者に掛かるコストに当てられていました。

こうした低賃金労働のうえ、職員を減らした事で刑務所内の治安が悪化し、暴動が頻発するようになった。

刑務所内で犯罪組織が結成されたり、抗争によって事件が多発し、州や政府が告訴されている。


日本でも看守が受刑者を虐待などのニュースが報じられますが、アメリカでは民営化したらもっと問題が深刻化してしまった。

アメリカで逮捕されて民営刑務所に送り込まれると、「宿泊費」が毎日請求され、たとえ無実でも支払いが済むまで出所出来ない。

その支払いは例の時給25円の労働で支払うので、絶対に支払えっこないという、佐渡金山の穴掘りみたいなカラクリです。



競争が無い分野の民営化は失敗

ただし民営刑務所は「刑務所ローン」を紹介してくれて、お金が借りれた人は借金を背負って出所できます。

1年間刑務所に入ると200万円くらいの借金になると言われているので、返済するためには犯罪でもするしかありません。

そもそも何でアメリカの民間刑務所は、こんなにも金食い虫なのかというと、一つには競争がないからだと言われています。


刑務所同士で競争して受刑者は好きなほうに入れるなら悪い刑務所は淘汰されるでしょうが、当然選べません。

刑務所会社にとっては努力しなくても金が転がり込むシステムで、こういう仕組みでは民営化は良い結果を生まない。

日本では郵政民営化や水道民営化、国鉄民営化、電電公社から交通公社まで民営化されましたが、中には失敗例もありました。

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