戦争の膨大な需要は好景気をもたらし、リーマンショックからもアメリカを救ったが
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引用:https://c1.staticflickr.com/7/6157/6222848413_5832cfcfe5_b.jpg


戦費の多くが軍人への支給

アメリカ政府が9.11以降のイラク、アフガン戦争で支出した金額が4.8兆ドル(500兆円)を超えたという試算が出されていました。

ブラウン大学教授の研究によると2017年度予算までで4.79兆ドル、19年までだと5兆ドルに達しているでしょう。

このうち国防予算で使用されたのは1.74兆ドルにすぎず、3兆ドルは軍事費以外の名目で支出された。

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対テロ対策、退役軍人への保証、戦費の金利分などで、特に退役軍人への給付金が多額に上っている。

今後もテロ対策や元軍人への支出が永続的に発生し、2050年代までもう300兆円を支出する事になるとしている。

実際にはイラク・アフガン戦争が起きなくても発生していた費用が加算されている気がするが、軍人恩給などを含めるのは新しい見方です。


日本でも第二次大戦以前の旧軍人や遺族への軍人恩給が、確か今も支給されている筈です。

戦争に負けたのになぜ支払うのかという疑問が沸くが、例えば「戦争に負けたら約束した報酬を払わない」としたら現在の自衛官は真面目に働くでしょうか。

自分なら負けたら給料を払わない嘘つき政府より、敵に寝返って給料を貰いたいです。


そんな理由で各国は軍人への保証は、国が倒産してでも支払おうとし、アメリカも軍人手当てをカットする事はできない。

破綻したソ連、ロシアですら軍人手当てを何とかして払おうとしていました。

因みに徳川幕府は兵士や武将への保証をしなかったので、幕府滅亡時に誰も江戸城を守ろうとしませんでした。


江戸城を守ろうと集まったのは、幕府から直接給料を貰っていた同心らだけで、旗本八万旗や大名足軽は、幕府が金を払わないと見るや寝返りました。

愛国心や忠誠心の半分は金で、軍人への保証や給料はこれほど重要です。



戦争支出は米国の財政を圧迫したか

2008年の研究として、ハーバード大学教授は、イラク戦争の戦費は3兆ドルだったと言っていました。

この教授は同時に、第二次大戦の4年間の戦費は現在の貨幣価値に換算して、5兆ドル(約510兆円)だったと言っていました。

この発表から8年経過しているので、3兆ドルが5兆ドル近くになったというのは、妥当な数字に見えます。


計算によると第二次大戦では兵士一人に現在の価値で1000万円使ったが、イラク戦争では一人4000万円使った。

米国防省はこうした計算に「誇張されている」と不快感を表し、もっと隠された戦費があるという見方を否定した。

もっと国防省よりの計算としては、超党派予算研究グループが2010年に、1兆500億ドルという数字を発表している。


これは2010年までの現地大使館の安全警備費などを含むが、ほぼ国防予算だけを合計した数値でした。

これに軍人への給付金やテロ対策費の名目で支出された分を足すと、2017年までに少なくとも3兆ドルか4兆ドルだろうと想像できる。

こうした戦費関連費は「無駄な支出」だったとされるが、アメリカ人に何ももたらしていない訳ではない。



戦争は好景気を生む


製造した兵器や爆弾は雇用を生み、支出した5兆ドルはなんらかの「消費」を産んだはずです。

17年間に5兆ドルが米国のGDPに加算され、その5兆ドルは誰かの給料になったり、会社の売り上げになりました。

だから国内で500兆円の公共事業を行ったのと変わらないのであり、「その分を他に使っていたら」という想定は正しくない。


もっともその分を全米ネット回線工事(アメリカは他国に比べて遅い)とか高速鉄道工事に使っていたら、もっと経済効果を生んだでしょう。

戦争支出は全部が無駄ではないものの、国内でもっと有効に使えたかも知れないのは事実でしょう。

戦争支出が連邦政府の財政を圧迫し、債務上限問題を引き起こしたという指摘は、かなり当たっている。


だが戦争支出のお陰で、2001年以来アメリカ経済が好調に推移し(リーマンショックを除いて)今も好景気を謳歌しています。

もし戦争による支出が無かったとしたら、米経済の成長率は現実よりかなり低く、日欧と同じ程度だったかも知れません。


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