中国のミサイル防衛システム
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引用:http://www.airforceworld.com/blog/wp-content/uploads/2014/08/720a5c9djw1eiwyk1v5q4j21kw1du1kx.jpg


トルコが中国のミサイル防衛をキャンセルした理由

日米はミサイル防衛構想で最終的に、あらゆる種類のミサイルやステルス航空機の迎撃を目指しているが、中国も独自のミサイル防衛構想を進めている。

紅旗(HQ)19と呼ぶミサイルを使用して2010年と2013年に、「地上配備型弾道ミサイル防衛」(GMD)システム迎撃実験に成功していました。

名称から紅旗(HQ)シリーズの発展型だがその後の報道はなく、詳細は分かっていない。

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2015年11月になってトルコが中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ‐9)」の購入を撤回し、自主開発を目指すと報道されました。

2013年9月に34億ドル(約4165億円)で中国企業が入札したが、「致命的欠陥が発見された」とも言われていました。

トルコに輸出しようとしたFD-2000ミサイルシステムは、中国国内で使用されている「紅旗(HQ)9」の劣化版と言われています。


その劣化版「紅旗(HQ)9」はトルコの選定で、アメリカの「パトリオット」、ヨーロッパの「アスター」、ロシアのS-400を退けて採用されていました。

この中で米国のパトリオットは最終段階の迎撃システムで高度10キロほど、アスターはおそらく技術移転を拒否し、ロシアのS-400も技術の移転は拒否したはずです。

中国はカタログ性能ではS-400と同等で価格が安く、おそらく技術移転に積極的だったと考えられる。


それが2015年になって突然トルコ側がキャンセルしたのは、最初から中国を「ダシ」にして実は欧米から破格の条件が提示されるのを待っていたという見方がある。

トルコはシリアを巡って欧米ともロシアとも対立状況にあり、「中国製の役立たずミサイル」では役に立たないと判断し、独自開発する事になった。

FD-2000には発射後に地上から制御する必要があり、欧米やロシア製防空ミサイルより、実際の命中率がかなり劣っていると言われています。



通常の防空ミサイルの延長

紅旗-9は中国が始めて独自開発した防空ミサイルで、恐らく輸入したロシア=ソ連製ミサイルのコピーであり、様々なコピー兵器の一つです。

最大射程は125km、高度は最大18km、通常ミサイルに対する射程は最大50km、弾道ミサイルには最大25kmなどとなっている。

地上のフェイズドアレイレーダーによって100の空中目標を同時に追跡し、6つの目標を同時に迎撃できる。


レーダーが探知してミサイルを発射するまでの時間は15秒で、移動式車両に搭載して運用が可能となっている。

セミアクティブ+アクティブ・レーダー・ホーミングなので最終段階では自身のレーダーで目標に誘導する。

文字で書くとペトリオットPAC-3やロシア製ミサイルと大きな違いはないが、トルコやイランが導入を決定しながら拒否したのを見ると性能や品質で大きな差がある。

また中国の防空システムはデータリンクしていないので、車両備え付けのレーダーに映った対象物しか迎撃はできない筈です。


問題は紅旗-9やその他の中国製ミサイルが「ミサイル防衛システム」なのかどうかだが、ミサイルに命中させる機能は持っていると考えられる。

高度18kmまで届くなら、レーダーで探知して発射すれば目標に命中するが、問題は弾道ミサイルは非常に速く、巡航ミサイルは海面すれすれで飛び、ステルス性が高いミサイルも存在することです。

弾道ミサイルの落下速度はマッハ4からマッハ20なので、時速2万キロとすると高度15キロから着弾まで5秒間しかない。


米国のパトリオットpac3はその5秒間で、範囲内に来たミサイルの80%は迎撃できると見られているが、中国製ではおそらく無理でしょう。

イージス艦のSM-3ブロック2Aは上昇限度1,000kmなので時速2万キロでも180秒(3分)の時間があるが、それでもカップめんを待っていたらミサイルは着弾してしまう。

迎撃システムは時間と高度と速度、レーダー性能や誘導システムなど、非常に複雑な相反する要素をクリアして初めて命中する。


形やシステムを模倣してどうにかなるものではないので、ロシア製防空ミサイルを含めて、今のところ弾道ミサイルの迎撃には使えそうもない。

90年代のイスラエルがアイアンドームでイラクのスカッドミサイルを防いだように、狭い範囲であらかじめ攻撃が分かっていれば、迎撃が可能かも知れません。

中国やロシアのような広い国土で、どこかから突然飛んでくるマッハ20のミサイルを迎撃するのは、中ロの防空ミサイルでは不可能です。

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