1978年建造のつがる型巡視船
PLH-02-Japan-Coast-Guard
引用:http://www.update.ph/wp-content/uploads/2016/07/PLH-02-Japan-Coast-Guard.jpg


船齢35年の主力巡視船

海上保安庁の366隻の巡視船と巡視艇のうち、35%にあたる129隻が耐用年数を超えて使用されていると発表されました。

巡視船の耐用年数は25年、巡視艇は20年だが、1980年ごろに建造された船では船齢35年に達している巡視船が存在している。

大型の巡視船ほど建造に多額の費用がかかるため長く使われる傾向があり、PL型巡視船4隻が運用されている。

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海上保安庁の巡視船艇評価書によると船齢35年以上の巡視船は、船底破口や主機関の故障等が頻発して任務を遂行できなくなっている。

PLH-02つがる1978年(昭和53年)、PLH-03おおすみ1978年(昭和53年)、PLH-04はやと1979年(昭和54年)、PLH-05ざおう1981年(昭和56年)などを初めとして老朽艦が並んでいる。

これらつがる型巡視船は満載排水量4000トンの大型艦で遠洋航海も可能なため、様々な用途で酷使されている。


27億円をかけて延命改修をしているが、これを最新型の「あきつしま」で置き換えると1隻350億円かかり、4隻では1200億円も掛かる。

もっと小型の2000トン型だと1隻約80億円と安いが、ヘリコプターを常時搭載できないので監視能力が限られている。

こうした理由で老朽艦ながら大型ヘリ1機を格納庫に搭載できるつがる型巡視船は重宝され、中々引退する機会がない。


海上自衛隊の大型護衛艦でも30年で退役する事が多く35年まで粘ったのは火災で焼失した「しらね」など一部に限られている。

米海軍の原子力空母は50年使用するが、大型駆逐艦でも通常は30年くらいで交替している。

1000トンから4000トンの巡視船が30年以上も現役で働いているのは、やはり例外的な事だと言える。



尖閣・竹島後も予算が増えていない

老朽化すると機械や装備の故障が増えるため、最悪の場合海上で漂流してしまう可能性があり、速度も遅く波に弱いなど安全性が劣る。

通信機能や搭載機器が古い為、監視業務などが十分に行われず、最近必須になっているリモコン機関銃なども装備していない。(改修で追加されるかも知れない)

船室の防弾装備や空調機能なども不十分で、快適装備などもないので、長期間遠洋航海するのは厳しい。


老朽化した多くの巡視船や巡視艇は小型船だが、129隻が1隻平均10億円だとしても最低1300億円が必要になる。

海上保安庁の装備品予算は約300億円で、これで全ての巡視船や航空機を購入しなくてはならない。

しきしま型巡視船が1隻350億円するので、根本的に予算規模が不足しているのが分かる。


海上自衛隊の護衛艦を使う意見もあるが、その護衛艦も耐用年数を越えて老朽化しているのと、使用目的が違うので使い難い。

巡視船は1980年ごろに200海里の新海洋条約に合わせて大量建造されたが、ブームが去ってその後建造予算が絞られていた。

フィリピンやベトナムから中古巡視船を譲って欲しいといわれたが、老朽化して渡す船が無かったので漁業監視船を代わりに渡していた。


陸海空自衛隊の総予算はGDP比1%の約5兆円で、海上保安庁の予算は1800億円台で推移しています。

尖閣・竹島騒動以前の2009年とくらべても特に増えておらず、負担の増加に比べて冷遇振りは際立っている。

それでいて中国の大型艦に対応して5000トン、6000トンの超大型艦を建造しているので、小型船の予算を削るしかなくなっている。


海上保安庁は国土交通省の外局であり「親会社」の国交省を差し置いて予算を増額するのは、官僚の論理では許されない。

海上保安庁の予算を増額するよりまず国交省の予算を増やし、ダムや橋や高速道路を作るべきだが、こういう順番論を言っている場合だろうか。

来年度は674億円の補正予算を組んで大型艦を建造するが、老朽艦問題はまだまだ解消されそうもない。


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