ニュージーランド農業は政府支援なしで自立しているというが、そんな事はない
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引用:http://footage.framepool.com/shotimg/qf/103098331-%E7%BE%A4%E3%83%AC-%E7%89%9B-%E7%99%BD%E9%BB%92-%E8%89%B2-%E7%89%A7%E8%8D%89%E5%9C%B0-%E3%82%A6%E3%82%B7.jpg



繰り返されるバター不足の原因

バター不足を巡って再び議論が起きていて、今年もまた緊急輸入されたが、その原因のなすり合いになっている。

農林水産省は夏の北海道の水害などで生産不足の恐れがあるとして、2016年9月に4000トン追加輸入したが、今年はそれで足りるとしている。

2008年、2013年、2015年とバター不足によって店頭からバターが消えて騒動になり、2015年に緊急輸入に踏み切りました。

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そもそもどうしてバターが不足したかというと、国産バターの50%を生産している北海道で乳牛が減少したために生乳が減少したからでした。

そして乳牛が減少した理由は、農水省が「牛乳の消費量は減少する」と言って、乳牛農家に廃業を迫ったり牛を減少させたからでした。

牛乳消費量はピーク時に500万KLだったのが現在は330万KL程度で推移し減少したのが、農水省はもっと急激に減少するとして生産量を半減しようとしました。


牛乳になる原料の生乳の用途として、殺菌して牛乳として販売するのが一番高く売れ、チーズ・バター用は安い。

農協が農家から生乳を買い取る価格は、牛乳用が117円程度、バター用は74円、チーズ用は68円で、生クリーム向けは91円でした(2015年)

この価格はバター不足対策でバター用生乳を値上げしてこうなったので、以前はバター用は40円くらいだったようです。


バターを作るには23倍の量の生乳が必要で、チーズを作るには12倍の量の生乳が必要だが、販売価格はチーズとバターでそれほど変わりません。

今日のアマゾンで『雪印 北海道100 チーズ 200g』が780円、『雪印乳業 北海道バター 200g』が540円でなんと高コストなバターの方が値段が安くなっています。

去年この2つは同じ値段だったので、バターの緊急輸入によってバターだけ下がった可能性が高いです。



バターとチーズが同じ販売価格だとしても、バターの方が製造工程が複雑で確実にコストが掛かるので、メーカーはバターの買い取り価格を安くしないと赤字になるでしょう。

バターが高コストなのに安い原因はおそらくマーガリンの普及にあり、多くの人はパンにマーガリンをつけていると思います。

買い取り価格が安いので日本には元々「バター用生乳」が存在せず、牛乳用に余ったものをチーズ用にし、さらに余ったのをバター用にしていました。


農水省の減産命令に加えて、畜産業の先行きが暗かったので、多くの乳牛農家は廃業してしまいました。

一度廃業したり乳牛を減らすと、再び増やすには大きな投資と時間が必要になり、簡単ではありません。

新しく牛小屋などの施設が必要だし、従業員は離職しているのでゼロから畜産農家を育てなくてはなりません。


しかも予想よりはゆっくりとはいえ、牛乳消費量は減少しているので、将来性が無いのに新しく畜産農家を始める若者は居ません。

こうした2重3重の農業政策失敗や消費減少、価格低迷や畜産農家の経営不振などがあって生乳が減少し、そのツケは全部バター用生乳に来たわけです。

こうしてニュージーランドからバターを緊急輸入したのだが、理想の農業国家として賞賛されるニュージーランドを調べると、あまり理想的とは思えない部分があった。



夢の農業国ニュージーランドは幻想


ニュージーランドは国営農業方式だったが1980年代に民営化され、農業生産の6割を輸出して成功しています。

民営化で農業補助金を廃止して、補助金なしで利益を挙げているのだが、ここがとても不自然で「おかしい」のです。

ネットでニュージーランドの農業予算をいくら調べても出てこず、ようやく分かったのは同国の農業予算が非公開だという事でした。


同じく中国や北朝鮮も非公開なのだが、共産国家並みの秘密農業らしいのです。

ニュージーランド農業の研究開発費はおよそ2億ドル(200億円)弱だが他は一切非公開。

各国の農業予算の内訳は研究開発費、補助金、インフラ整備、社会福祉に分かれていて、ニュージーランドも「農業基金」としていくらかの補助金を出している。


謎なのはインフラ整備費でニュージーランドは国中が農場のため、道路や河川整備をすればそれは農業予算といえます。

日本やアメリカは農地の為に道路や用水路を作ると農業予算になるが、ニュージーランドは一般予算に含めている疑いが強い。

さらに疑問なのは農業従事者の社会福祉で、これを利用すれば実質的には補助金なのに、補助金ではないと言い張れる。


「ニュージーランドは補助金なしでやっているのに日本の農家は金を貰って楽をしている」とニュージーランドに行った人は必ず言うが、そうは思わない。

アメリカの農業予算は年間10兆円以上だが、アメリカの農業生産額は17兆円に過ぎないので、生産額の半分以上は政府のお金です。

フランスなど欧州の農業国はさらにひどく、南仏のブドウ農家は90%の補助金を受け取って日本に輸出しています。


日本は農業生産額約7兆円で農業予算3兆円なので生産額の約4割は政府支出しているが、道路や用水路建設に使われています。

対するニュージーランドは研究開発費以外の農業予算が非公開で、いくらつかっているのか不明だが、アメリカや日本に輸出攻勢を掛けています。

ニュージーランドの農業が政府の支援なしになっていけるのは、実は政府が農業予算を隠しているだけです。

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