北京五輪前に自立成長は止まっていて、後は借金と土木工事で経済成長した
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引用:http://1803.img.pp.sohu.com.cn/images/blog/2008/8/11/10/22/11c55cb2fc8g214.jpg


人民元が北京五輪前に戻る

何度か人民元の下落と資本流出を書いたが、米新政権が「強いドル」政策を取ると見られている事で、再び下落しています。

2016年11月24日の人民元はドルに対して8年5か月ぶりの安値である、1ドル6.9085人民元をつけ、北京五輪前に戻りました。

北京五輪が開催されたのは2008年8月8日から8月24日までの期間で、その前の2008年6月が現在と同じ為替レートでした。

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通常通貨はその国が経済成長したり貿易などで黒字を増やすと高くなり、縮小すると逆に安くなります。

北京五輪頃の中国はGDPで日本を越え(実際はもっと後だったが)、数年でアメリカ経済を超えると豪語していました。

20年以上連続して経済成長率は10%を大きく上回り、一人当たりGDPが日米と同等になると世界の経済学者は言っていました。


実は2007年から始まった世界経済危機(リーマンショック)で中国の自立的成長は停止し、大規模公共事業と公共支出による成長に変化しました。

1980年代から2006年までは、中国自身が何もしなくても外国企業が頭を下げて投資して、勝手に開発してお金を落としていきました。

自動集金システムのようなこの制度によって中国は世界の工場になり、外国からの投資で国は富み、収入は増え人民元レートも上がりました。


2008年に中国は北京五輪の面目を保つため、50兆円の公共事業費を一度に投入し、欧米のエコノミストは「中国は世界の救世主だ。21世紀は中国の世紀だ」と賞賛しました。

ところが公共事業ってのは50兆円使ったら次の年も50兆円使わないとマイナス成長になり、55兆円とか60兆円使ってやっと経済成長します。

中国の公共事業費は毎年雪だるまのように膨らんで、2016年は300兆円から400兆円使ったと推測されています。



資本流出はなぜ起きているか

公共投資はどんどん増えたのに経済成長率は下がり続け、ついに来年は7%を割り込むとIMFなどは予想しています。

年間300兆円以上を土木工事だのダム、道路、ゾンビ企業救済や、鬼城(巨大ゴーストタウン)、果ては南シナ海の埋め立て工事に投入しています。

南シナ海のさんご礁を埋め立てて得られるのは、自然愛好家の反発と周辺国の対立くらいで、金銭的には何も得ません。


とはいえ中国がこの20年で大きく成長したのは事実であり、おかげで労働者の賃金と物価水準は急上昇し、ベトナムやミャンマーより高くなってしまった。

中国に進出した外資工場は次々に国外に出て行き、今はメキシコやベトナム、アフリカなどで工場を増やしています。

成長率が低下して消費の拡大も鈍ってきたので、採算割れの外資から中国撤退しています。


中国の経済成長の特徴は富裕層が非常に多い事で、アメリカを超えて世界一富裕層が多い国で、しかも隠し資産が多い。

公式な統計には出ないが、共産党中央大会に出席する上層部などは、一人数兆円の私財を蓄えていると言われています。

中国では権力闘争に敗れると政敵に資産を没収されるので、パナマ文書で話題になった外国の租税回避地に資産を移転します。



浪費する借金超大国

外資撤退と資産移転のダブルパンチで資本流出が起きているが、これに輪を掛けているのが中国の「大国外交」でした。

2000年代に資源価格が最も高かったときに原油や鉱山の採掘権を買いまくって、ほとんどが海の藻屑ならぬ地下のどこかに消えました。

今も習近平が外国に出かけるたびに、やれ5兆円だ10兆円だと相手国に大盤振る舞いをしていて、どうせ全て赤字になるでしょう。


中国が高成長を続けている間は、当局が元安に誘導していたが、現在はなにもしなくても勝手に人民元が下落しています。

元安は輸出を促進するのに好都合なので放置していいるが、2015年夏や2016年1月の人民元急落は記憶に新しい。

中国は国内では公共事業でGDPの300%の公的債務を抱え、外国に対しても大国外交の浪費によって資産を失い債務を増やしている。


公式発表で中国は外貨資産のほうが多い純債権国だが、発表の半分ほどしか保有資産が確認されていません。

一方で外貨建て債務をかなり隠していると推測されているので、実態は外国からの借金が資産を上回っている純債務国です。

純債務国だから経済が崩壊するわけではなく、世界の半分以上は純債務国ですが、無限に借金を増やすのはできっこ有りません。


現在は1ドル=7人民元を超えるかどうかが注目されていて、これを超えるともう一段の元安が進むと見られています。

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