短期的には高金利通貨が上がり、長期的には低金利通貨が上がる。
このため為替レートは不規則な動きをし、精確な予測は不可能とされている。
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引用:http://www.shinoby.net/wordpress/wp-content/uploads/160313FXChart2.jpg


トランプだとなぜ円安になるのか

11月9日にトランプ氏が当選してから「トランプ相場」が続き、NY株は史上最高値を更新し、日経平均も1万8000円を超えています。

ドル円レートは1ドル100円を割っていたのが113円まで円安に動き、現在は一段落してやや下げています。

市場関係者の間ではこれから先、ドル円や株式がどうなるのか評価が割れていて、もう一段の円安を支持する人も多い。

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バンク・オブ・アメリカ、インベスターズ、BNPパリバ、RBSなど欧米の有名銀行では。1ドル130円だという声も出ている。

これら著名銀行のアナリストによると、来年2017年には120円を超え、年末までに130円を伺う展開になるとしている。

ゴールドマンサックスも強気派で、世界経済は好調と予想しているので、株高円安という事になります。


トランプ当選で円安になっている理由は次期政権の財政刺激策にあり、公共事業によってアメリカは好景気になり国債が売られます。

国債は値下がりしないかわりに利益も生まない「安心資産」として購入されるが、景気が良くなると投資家は国債を売却してもっと割りの良い投資に移動します。

国債が売られて不人気になってくると、高金利にして投資家を繋ぎとめるので、景気が良くなると国債利回りが上がるのです。


一方で日本は現在マイナス金利で、伝統的にアメリカより低金利と決まっているので、投資家は円で借金してドルで投資すると儲かります。

アメリカ人投資家が日本の銀行で借金して円をドルに替えて、アメリカで投資したほうが儲かるので、自然に円安ドル高になるでしょう。

こういう理由から、トランプで米好景気になり円安という流れは、それほど無理な推測ではない。


だが円安は定着しない

そのままずっと円安ドル高が続くと、円安にしたい安倍首相はハッピーだが、そう長続きしないでしょう。

1950年ごろに1ドル360円になって以来、ドル円は一貫して円高になり、新たに円高になるたびに円の戦後最高値を更新してきました。

バブル崩壊すらこの流れを止めることはできず、1995年には1ドル79円、2011年には1ドル76円になりました。


これらの円高はどれもそうなる前には「絶対にありえない」と断言されていて、300円も200円も100円も80円も「絶対に破るのは不可能」とされていました。

この流れからはむしろ「1ドル70円割れ」は時間の問題のようにも思えてきますが、なぜ円高になるのでしょう。

先ほど「米高金利だとドル高になる」と書いたがそれは一時的なもので、数ヶ月から長くて数年しか続きません。


通貨には「高金利通貨は必ず長期的には下落する」という法則があり、この法則のせいで長期的には円高ドル安になります。

例えば皆さんが借金をするとき、いわゆるブラックリストすれすれの過重債務者だったら、10数%の高金利でしかお金を借りれないと思います。

だがもし信用抜群で定期預金に1億円入っていたら、銀行は1%以下でお金を貸してくれる事があります。


国債の金利もこれと同じで「高金利」ってのは過重債務者、「低金利」は信用抜群の国だから実現できるものです。

高金利のアメリカは政府が高い利子を払い続け、低金利の日本は政府がゼロ金利でお金を調達し、この状態が何十年も続きます。

すると資金の調達能力や金利負担の違いによって、低金利通貨(円)は必ず高くなるのです。



長期的には必ず1ドル70円を割る

だが小泉時代に数年間、見せ掛けの円安が続いたように、投資家が高金利に群がることで5年くらいは円安が続いたりします。

そもそも円安になんかならずに100円割れだと主張する人たちもいて、邦銀や日本人アナリストに悲観論が多いようです。

悲観派は「トランプ氏がまだ大統領に就任していないので、思い思いに良い所だけをつまみ食いしているのだ」としています。


悲観派は財政支出や大型インフラ事業の実施には議会承認が必要であり、共和党と対立している大統領には簡単ではないと言う。

承認され実施されるのは2018年で、しかも議会対策で大幅に抑制され、効果が薄められるだろうと見ている。

さらにトランプ氏の対外政策は保護貿易主義で、貿易を抑制するので経済は悪化し、期待する成果は得られないとしている。


予算には議会承認が必要だが保護貿易には不要なので、まず貿易などの制限によって経済の悪化が先に起きる。

何やら選挙中の「トランプ叩き」の続きをやっているようだが、まるっきり見当はずれでもなく、そうなる可能性はある。

円安派、円高派それぞれの言い分にはもっともな部分があり、今後1年でどちらに進むかは判断が難しい。


ただ分かっているのは「長期的には低金利通貨は高くなる」のと「長期的には経常黒字の通貨は高くなる」という事です。

従ってもし再び120円オーバーの円安になったなら、その円安が続くと思い込むのは非常に危険です。

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