全米高速通信網でスプリントは最下位で競争力に欠ける
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引用:http://www.smartkeitai.com/wp-content/uploads/2014/03/verizon-att-t-mobile-sprint-4g-lte-coverage-map.jpg


スプリントの黒字はまやかし

ソフトバンクが買収した米通信会社のスプリントの一部株式を、ライバルのTモバイルに譲渡するのではないか、と報道されている。

2月17日ロイターなどによると、4位スプリントの経営権を、3位Tモバイルに譲渡する方向で検討している。

売却したのちにTモバイルの株式を取得して、米国最大の通信事業者の株主になる戦略だと書かれている。

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ソフトバンクの孫社長は2013年7月にスプリントを買収したが、その時は米携帯4位のTモバイルも買収して合併するつもりだった。

買収が成功すると「米国ソフトバンク」は全米2位の通信会社になり、アメリカ支配が視野に入るという壮大なプランでした。

当時の孫氏は自信満々でアメリカに数百億円の豪邸を購入して、セレブのように振る舞っていました。


だが米当局は市場の寡占懸念でソフトバンクによるTモバイルを買収を禁止し、Tモバイルはドイツテレコムに買われた。

買収前の状況はスプリントは3位だが赤字で、Tモバイルは4位だが黒字経営で、現在も変わっていません。

こうなっている原因はアメリカの広大さで、日本の25倍の面積全てをカバーしている通信会社は1社も存在していない。


全米1位のベライゾンはほぼ全土でサービスしているが、ところどころ「隙間」が空いていて全米ネットワークではない。

全米2位のAT&Tはアメリカ全域に通信網を張り巡らせているが、高速通信可能なのは大都市だけで田舎に行くと通じません。

3位のスプリントと4位のTモバイルは「地域ネット」みたいなもので、サービスを提供している範囲が非常に狭い。



合法的な粉飾決算の手口

Tモバイルは東部のワシントンやニューヨーク、西部のカリフォルニアなど全米の大都市を押さえていて、収益性が高い。

スプリントは西部ではサービスを行っておらず、高速回線はシカゴ、テキサス、ニューヨークなどです。

孫氏はスプリント買収後に得意の値下げ攻勢を掛けたものの、すぐに他社も追従し自分の利益を減らしただけでした。


買収以来、1期(3ヶ月)あたり数百億円の損失を出し、2014年は33億ドル(約4000億円)の損失を計上しました。

2015年と2016年も赤字の筈だがここで孫氏は禁じ手ともいえる奇策をうち、米メディアによると「合法な粉飾決算」を行っている。

2016年3月の決算で孫氏は「スプリントの黒字化に成功した」と発表したが、実際は赤字だったと言われている。


2015年の純営業収入は9.7%減の81億1000万ドルだったのに、なぜか突然黒字になり、米メディアは会計操作だと指摘した。

ソフトバンクはアメリカに通信設備会社を設立し、まずスプリントが所有する通信設備を高額で買い取らせた。

次にソフトバンク所有の通信設備会社は、スプリントに格安で通信設備をリースし、結果的にスプリントはリース会社に赤字と負債を移転させた。


アナリストのクレイグ・モフェっトの調査によると、この操作でスプリントは509億ドルの負債を340億ドル(3.7兆円)に見せかけていた。

結果としてEBITDA(税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもの)が5割も改善されたとしています。

例えば2016年4月6日にスプリントは通信ネットワークをソフトバンク子会社に30億ドルで売却し、売却益22億ドル(約2400億円)を得たと報道されていました。


8億ドルのものをグループ会社に22億ドルで売った事にして、赤字を押し付けたということのようです。

そしてこの会計操作はアメリカでは違法ではなく、何の問題もないのだと言っています。


孫氏が示したスプリントの黒字転換は、合法的な粉飾決算とアメリカで批判された
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引用:http://i0.wp.com/img.logmi.jp/wp-content/uploads/2016/02/th_03EBITDA.jpg



ドイツテレコムが交渉の主導権

ソフトバンクの日本での携帯電話事業は年間6000億円もの利益を出していますが、米スプリントは3000億円以上の赤字を出していると推測されます。

つまり会計処理をしても結局日本で稼いだ半分は米国で垂れ流していて、もはや日本の携帯電話加入者への背信行為ともいえます。

真実を知ったらソフトバンクの利用者は「アメリカの電話会社に使うより電話料金を半額に下げろ」と言うでしょう。


腹の立つことにAUとドコモはソフトバンクに合わせて料金設定し、3社まったく同じ料金で競争しないようにしていました。

孫社長としてはTモバイルの買収は不可能だし、スプリントは大赤字だし、撤退したら「偉大なる孫将軍」の名声が傷つくので対応に苦慮していました。

そこで誕生したのがトランプ政権で、この機会に3位スプリントと4位Tモバイルを合併しようとなった。


だがTモバイルの親会社のドイツテレコムは儲かっているTモバイルを絶対に手放さないので、逆にスプリントをドイツテレコムに買ってもらう。

そのうえで合併した新Tモバイルの株式の一部をソフトバンクが所有することにし、新会社の共同経営者に納まる。

こうすれば撤退ではないので偉大な名声に傷がつかず、ドイツテレコムと株式交換すれば両者とも儲かる。


問題は一旦は合併を拒否した米当局が認可するのかという点と、ドイツテレコムがこの話に乗るかという点です。

もし合併が認可されるなら、ドイツテレコムは実質赤字のスプリントの足元を見て、買い叩くかも知れません。

ソフトバンクはスプリント買収に約1兆8000億円を投じ、2014年に4000億円の損失、2015年と2016年も3000億円の赤字と推測すると、既に2兆8000億円を投じています。


ドイツテレコムとの交渉は対等とは行かずに、大幅なディスカウントと主導権を要求してくるでしょう。

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