前半は称賛、後半は批判される事が多かったゴーン時代
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引用:http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/640/img_9741ebc85bff4104e7c12b8db3228d3a191470.jpg


ルノーは日産の寄生虫?


カルロスゴーンは1999年から18年も日産の最高経営者に納まっているが、その評価は必ずしも最高ではなかった。

前半と後半に分ければ前半は日産を再建した立役者として称賛され、もし2006年ごろに退陣していたら本田宗一郎のようにな伝説になったでしょう。

2007年に米住宅ローンのサブプライムローンが破綻して、フレディマックやファニーメイのような住宅公社も破綻しました。
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大手投資会社のリーマンブラザースが破綻して、投資銀行大手モルガン・スタンレーは三菱銀行の支援を受けた。

リーマンショックでは日産よりもむしろルノーが打撃を受けて、以来日産社内では「ルノーから独立するべきだ」という不満がくすぶっている。

日産は2008年に赤字になったが翌年には回復し、2011年の東日本大震災はグローバル化のお陰か黒字を確保しました。


対照的に日産を買収したルノーは、買収した頃がピークだったのか低迷を続け、リーマンショック後も回復していない。

フランスのルノー工場はルノー車が売れないので日産車を生産する有様で、現在も日産のEVなど日産車の見た目を変えて、ルノー車として売っている。

世界の自動車メーカーは協力体制が進んでいるので、工場で他社の車を生産したり、他社生産車を自社ブランドで販売するのが普通になっています。


だが問題は「ぶら下がっている」お荷物企業が親会社で、日産から利益を吸い上げたり、日産車を販売することで事業を存続していることです。

ルノーが赤字経営になったとき、日産からは独立するべきだという意見が出ていたが、逆にフランス政府は日産への依存度を強めました。

ルノーは郵政3事業のようにフランス政府の国営企業だが、日産からの配当金や、日産車をルノー車として売ることで存続させています。



日産の日本人重役にとってゴーンは障害物

日産車とルノー車の多くはプラットフォーム(シャシーのような基本構造)を共通化し、それどころか双子車や姉妹車のようなのがある。

ルノー日産の2016年世界生産台数は996万台で、日産が556万台、ルノーは318万台、三菱は93万台などとなっている。

ルノーの生産台数にはルノーが生産した「日産車」も含まれていて、ルノーサムスンなども含まれているので、実態はもっと少ない。


ルノー単独では赤字の年が目立つのであまり公表したがらず、かならず日産と合計した数字を発表しようとします。

赤字と黒字を行ったりきたりしていて、もはや単独で新型車を開発する能力を喪失している。

フランス政府は2015年にルノーを救済する為、ルノーを完全国営会社にして日産と合併し、ついでに日産もフランス国営会社にするという驚愕プランを実行しようとした。


これにはルノー経営陣や一般株主、日産側も反対して実現しなかったが、日産側のルノーへの警戒はさらに強まった。

ルノー経営陣はフランス政府への対抗策で、ルノー国有化から日産を独立させる計画を練り、日産がルノーの経営権を握ることで対抗しようとした。

日産の経営権はフランス政府やルノー経営陣の政争の具になってしまった訳で、日産側の不満は益々強まっている。


日産の日本人重役の立場から考えると、ゴーンやフランス人が居座っている限り、自分達は一生社長や経営者にはなれない。

それなら日産の企業秘密を手土産に、他社に就職しようという者も現われて、一時は離職者や企業スパイ事件が多発した。

フランス人が経営者である限り、どうあがいても日本人は日産で経営者になる事はできない。



救世主から日産のお荷物になったルノー

ゴーンは2017年2月に今期限りの社長職退任を発表したが、こうした日産社内の不満と無縁ではないでしょう。

ゴーンは社長を退いても会長職に留まるそうで、権力好きでお金が好きなゴーンが自発的に退陣するとは考えられない。

フランス政府とルノーの対立の過程で、日産自動車の経営の独立性と、フランス政府が日産の経営に介入できない事が明文化された。


独立と言っても日産はルノーの支配下企業で、ルノーはフランス政府の所有物なので間接支配するのは変わらないが、日産独立の気運は高まった。

フランス政府は外国企業がフランス企業の経営権を握るのを禁じているが、それでいてルノーが日産の経営権を持っているのは相互主義の観点から問題がある。

江戸末期に徳川幕府は欧米と不平等条約を結んだが、日産とルノーの関係は不平等で江戸時代的なものです。


日本企業はルノーの株を例え50%以上購入しても、フランスの法律によって経営権を握る事ができない。

日本政府はこれに抗議すらせず、「タダ同然」で日産を売り渡したと当時批判されていました。

日産は買収当時世界5位の自動車メーカーで、49.1億ドル(5000億円超)は今考えると破格の安値でした。


日産の株価回復で投資した約50億ドルは一瞬で元が取れて、以来18年間ルノーは利益だけを受け取り続けています。

史上最もお買い得な投資だったが、その投資眼は称賛されるとしても、今や日産がルノー傘下に留まる事にメリットが見当たらない。

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