麻生大臣は事前の為替批判で釘付けされ、アメリカに賛成せざるをえなくなった
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引用:http://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20170317&t=2&i=1176990250&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXMPED2G195


G20は中国のためのサミット

注目の経済イベントG20がドイツのバーデンバーデンで3月17日から18日に開催され、激しい議論の応酬になった。

振り返るとG20はリーマンショックにG7(先進7カ国)が対応できなかったため、「中国を加えるべきだ」という批判を受けて開催された。

第一回G20が開催されたのは2008年11月で2008年8月8日に北京五輪が終わったばかり、まさに全世界を挙げて中国ブームの最中でした。
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アメリカは2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻した直後で、「ドルは無くなる」「アメリカは破産し消滅する」という本が書店にズラリと並んでいました。

一方中国はオリンピックに合わせて4兆元(約50兆円)の経済対策を実施して、「世界を救った」と称賛されていました。

原油価格は2000年以前は1バレル15ドルだったのが、中国の爆買いで140ドルに上昇し、全世界の首脳が「中国詣で」をしていました。


G20創設以前に「中国をG7に加えるべきだ」という議論があったが、アメリカはこれを嫌がり、代わりにG20を作った。

つまりG20とは中国の為のサミットであり、2016年9月のG20杭州では中国主導が遺憾なく発揮されました。

まずエアフォースワンで到着したオバマ大統領にタラップを用意せず、非常用昇降口から降りるよう命令し、スタッフによる出迎えも禁止した。


通常国家元首は赤いじゅうたんが敷かれた専用タラップで降りて大使などが出迎えるし、安倍首相の時はそうしていた。

中国公安部隊とオバマのスタッフで押し問答の末に怒鳴りあいになり、「ここは中国だ、従わない奴は帰れ!」と命令したと言われている。

習近平は世界の指導者として振る舞い、席順や記念写真の位置まで「中国が決めた順位」で配置するなど清や明時代の冊封、朝貢外交そのままだった。



アメリカと取引した麻生大臣

2017年3月17日に開催されたドイツG20会合では、アメリカ優先主義を主張するアメリカと各国が激しく対立しました。

アメリカは「為替の過度な変動は経済に悪影響」という定番の言葉を共同声明から削除するよう要求し、日本が強く反対した。

G20が創設されたとき1ドル80円台の超円高で、日本の強い要求で「為替の過度な変動は経済に悪影響」という一文が加えられた経緯がありました。


『為替』とは円の事であり本当は「ドル円の過度な変動は経済に悪影響を及ぼす」だから日本の為替介入は正当だという意味なのです。

これを削除するのは「日本の為替介入は正当ではなく不当だ」という意味であり、麻生財務大臣は猛反発しました。

結局麻生財務大臣の主張をアメリカが受け入れて共同声明には「為替の過度な変動は経済に悪影響」が付け加えられたが、これで終わりではなかった。


事前情報では為替が最重要議題になるという事だったが、開幕したら実際にはアメリカは「貿易不均衡」を強く打ち出してきました。

G20では為替と同様に「反保護主義」という文字が必ず共同声明に書かれていたが、アメリカはこの一文字を削除するよう強く要求してきた。

反保護主義とは輸出で貿易黒字の国にだけ利益がある事で「自由に輸出して良い」という意味であり、中国・ドイツ・日本に利益をもたらす。


このうち日本は為替の文言を入れてもらうのと引き換えに、麻生大臣がアメリカと同調し、中国・ドイツを叩く側に回った。

ドイツはEU内ですら貿易黒字に強い不満が出ていて、G20でも槍玉に挙げられていました。

アメリカに強硬に反対したのは中国で、「反保護主義」を声明に加えるように激しい論争になった。


結局「保護主義に対抗する」という言葉は声明に盛り込まれずアメリカの主張が通り、「無制限な輸出」は許されない事になるでしょう。

終わってみたら日本への為替批判はG20で日本と取引するためのブラフ(おどし)だったようで、トランプ政権の駆け引きの巧みさが目立った。

麻生大臣は為替と引き換えに口封じされた格好で、「米国に配慮はしていない」と得意の麻生節も出なかった。

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