アメリカはNYのような管理都市を除いてタクシーが絶滅したと言われている。
競争に負ければ次はウーバー自身が駆逐される
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引用:http://assets.nydailynews.com/polopoly_fs/1.2328891.1439860519!/img/httpImage/image.jpg_gen/derivatives/article_750/taxis-8th-avenue-new-york-city.jpg


ウーバーの失速

ウーバーといえばこの数年で世界的なブームを巻き起こした配車アプリだが、一転して経営危機が報じられている。

頻発するスキャンダルや、過剰な期待ほどではない売上げ、財務状況の悪さなどが指摘されている。

ウーバーは時価総額700億ドルの大企業だが2009年の創業以来一度も利益を上げた事が無く、おそらく今後も一度もないかも知れない。
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ウーバーの仕組みを簡単に説明すると、アマチュアドライバーが自分の車をウーバーに登録し、タクシーのように客を運んで料金を徴収する。

利用者はウーバーが表示する、近くの登録車両から選択し、行き先をアプリで指定すると料金が表示される。

料金は変動相場制で需要と供給によって大きく上下するが、平均するとタクシーよりかなり安くなる。


料金はウーバーに対してスマホで支払い、運転手はウーバーから報酬を受け取る。

だがウーバーは運転手を確保するためにインセンティブ(追加報酬)を支払ったり、利用者に料金の値引きサービスをしている。

というのはウーバーが短期間に成長したように、この業界に参入するのは簡単であり、配車アプリも難しい技術ではない。


ウーバーは絶えず他社との競争にさらされてコストが嵩み、2016年上半期は1300億円(12億7000万ドル)の赤字を出しました。

2016年度のウーバーの赤字は30億ドルに拡大と発表されているので、下半期だけで1700億円(1ドル100円として)の赤字を出した計算になる。

赤字幅は収まるどころかむしろ拡大中であり、今後思ったような収益化が図れなければ、非常に困難な状況になるでしょう。



ウーバーの不祥事

各種経済メディアによるとウーバーの赤字の大半は運転手へのインセンティブで、2015年上期だけで27億ドル(約2700億円以上)を払っていました。

ウーバーはまず既存タクシー会社を倒産廃業に追い込んでから、市場を独占してインセンティブをなくし利益を得る構想を描いている。

実際アメリカではニューヨーク市など保護されている地域以外のタクシー会社は全滅し、タクシー運転手という職業もなくなったそうです。


日本政府はタクシー業界を保護するためにウーバーを許可せず、2種免許と営業許可を持っている運転手だけが登録できます。

ウーバーは世界中で既存のタクシーを廃業に追い込む戦略を取っていて、その為には既存のタクシー運転手をウーバー運転手に雇う必要があります。

素人運転手は平日の夜と休日だけ多いが、それではすべての利用者を満足させられないので、結局はプロの運転手が必要になります。


加えて新規の配車アプリとの競争が激しくなる一方なので、本当に「ウーバーが市場を独占する日」なんて来るのかが疑問です。

アップルやグーグルやマイクロソフトは市場を独占したが、あれはネット世界だけで現実ではありません。(ネットの方が現実かもしれないが)

アマゾンは先進国の通販市場で独占に近い成功を収めているが、果たしてタクシー業界でも同じように行くのかが注目されている。


そして最近ウーバーを揺るがしているのが経営上の不祥事が続出している点で、企業としてのイメージが崩壊しつつある。

たとえば女性乗客がウーバーの運転手から被害を受けたり、ウーバーの女性社員が上司の社員からハラスメントを受けていたのが大きく報道されました。

アマゾンは客に乱暴したりしなかったが、ウーバーは運転手が自社の社員や従業員ではないので、運転手の質をまったく管理していない。



ウーバーが倒産する日

日本のタクシー会社は運転手を雇用していて、数十年会社員として運転手を務めた後で、やっと個人タクシーの許可が貰える。

日本では事実上タクシーの個人営業を認めていないが、日本でも昔はタクシー運転手の質が低かったので、こうした規制が強化された。

ウーバーは世界中で各国のタクシーを廃業に追い込んだが、配車アプリは参入が簡単であり、ウーバーである必要が何も無い。


ウーバーがこの世から消えても配車アプリ市場が成長するのは疑いなく、他社はもっとましな運転手管理をしたり、もっと低料金を出してくるでしょう。

するとウーバーは他社より値下げしなくてはならず、運転手の質を上げる為にはより多くのインセンティブを出さなくてならない。

今まで配車サービスはウーバーしかなかったので、株式市場ではウーバーだけが評価され資金を吸収してきました。


だがヤフーがグーグルに替わられたように、ネット上のサービスはより優れた者に一瞬で替わられてしまう。

ネット上では一番になった企業だけが生き残り、ヤフーのように二番目になった企業はやがて倒産危機を迎えます。

参入が簡単な業界でずっと市場独占を続けるのは、非常に困難だと思われます。

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