新電力は儲かる場所でだけサービスし、儲からない場所は大手電力に押し付ける。
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引用:http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/a/asiaasia/20160105/20160105231954.jpg


新電力は大都市に集中

2016年4月1日に電力小売り自由化が始まってから4年が経ち、新電力への切り替えは1400万契約数に達しました。

新電力のシェアは販売電力量で16.0%、販売額で17.3%、契約口数で14.0%を占めています。

一方で電気料金の下落率は家庭向けで実質3から5%程度にとどまり、新電力による価格抑制効果は微妙でした。

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新電力と言ってもすべてが新規参入者というのではなく、既存の大手電力会社が新電力を経営している場合もあった。

東急パワーサプライは18年3月に東北電力から3割強の出資を受け、太陽光発電のLooop(ループ、東京・台東)も中部電力から10%の出資を受けた。

こうなるのには理由があり、発電事業は規模が大きいほどコストが下がり、小規模なほど高コストになる。


太陽パネルにしろダムにしろ火力や原発にしろ、やはり大きいほうが1kw当たりのコストは下がります。

小規模は発電事業者には最初から不利な業界で、中には自前の発電所を持っていない新電力もあった。

よそから電力を買って消費者に売る「転売屋」が新電力を名乗ったり初期の参入者は質が低いのが多かった。


大手電力は新電力に危機感を持ち、新電力に投資したり買収して自分が新電力になる事でリスク回避を図った。

発電に関しては新電力には絶対に勝ち目はなく、大規模な大手電力が勝つに決まっています。

ただ今は送電コスト(すべての送電設備は百兆円分にも達する)を大手電力が負担しているので、なんとか新電力は存続している。


通産省は自由化すれば競争原理が働いて、電気料金の低価格化が進むと説明していたが、これには異論も出ている。

先に電力自由化した国の中で、自由化前より料金が下がった例は少なく、自然エネルギーの負担と相まって大半が大きく値上がりしている。

電力は発電を集中させるほど1キロワット当たりのコストが下がり、分散させるほど上昇するので、自由化で発電施設を分散すると理論上のコストは上昇します。



新電力の誤解

日本の場合は送電施設や変電施設、電力買取費用まで全て、大手電力会社が負担しているので、今の所新電力の料金のほうが安い。

本来は別企業なのだから、電線から変電施設まで新電力会社が用意するべきだが、大手電力に負担させている。

そのうえ大手電力は原発を停止させられたうえに、停止している原発のコストも負担しているから、新電力より高コストになっている。


新電力が自己負担すべき設備投資などを大手電力に負担させていて、その分は結局大手電力の利用者に負担させている。

大手電力は全国全ての家庭に「送電義務」があるのに対し、新電力は「発電したいときだけ発電し」嫌なら発電しなくても良いので、かなりアンフェアな自由競争です。

東京電力は離島や限界集落にも送電しているが、東京ガスは「もうかりそうな場所」でだけ商売をしています。


発電事業は規模を大きくするほど効率が良くなるのだが、新電力に「おいしい場所」を取られてしまうと、大手電力会社の経営は悪化します。

その結果、離島や山間地や地方では電気料金が値上げされ、全国平均では電気料金が自由化前より高くなる可能性が高い。

こうした事は電力自由化した欧米では既に起きていることで、世界的にも自由化の成功例があまり無いのです。


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