工場が散在する田舎に、突如として人口1000万人都市を建設する
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引用:http://img.recordchina.co.jp/thumbs/m720/201704/20170405-05190035.jpg


突然の巨大都市建設

中国政府は2017年4月1日、唐突に人口1000万人級の新都市を新たに建設すると発表しました。

国営新聞の新華社が、中国共産党中央委員会国務院が河北雄安新区の設立を決めたと報道し、決定までの議論は一切無かった。

場所は北京から南西へ100キロ、天津から西へ100キロという好立地で、東京から見た群馬・茨城・静岡に相当する。
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人口2200万人の北京、1500万人の天津にくらべて当地の人口は約100万人で、大幅に増やす余地がある。

突然の「大本営発表」を受けて雄安新区予定地の地価は一夜にして2倍になり、もともとバブルだった中国の投資資金が一気に流れ込んでいる。

北京の人口や公害問題を解消するという触れ込みだが、巷では習近平主席の業績として「習近平都市」を建設したいのだと言われている。


10日後の4月11日には李克強首相が香港やマカオ周辺を統合する「粤港澳大湾区」構想を発表しました。

共産党は香港の本土統一を着々と進め、今や香港名物だった共産党批判は即座に山奥の収容所送りになる。

香港・マカオを含む大都市を建設することで、香港そのものを消し去ろうという大計画です。


香港の人口は730万人でマカオは約60万人、珠海市の人口が約160万人なので、周辺を統合すると数千万人になるでしょう。

中国の歴代権力者はそれぞれ自分の都市を建設するのが伝統になっていて、毛沢東は農村を熱心に開発したが失敗した。

鄧小平は1980年に深圳(深セン)経済特区を建設し、江沢民は1992年浦東新区を建設し、それぞれ中国では偉大な成功者と称賛されている。



大都市を建設するのが偉大な指導者

習近平も偉大な指導者と言われるためには巨大都市の一つも作る必要があり、「じゃあ2つ作ろうか」という事らしい。

これは最近始まった事ではなく、中国の歴代王朝は秦の始皇帝から頻繁に新しい都市や城などを建設してきた。

共産主義の仲間だったソ連は「レーニングラード」(偉大なレーニン様)という赤面するような名前の都市を作っていた。


ベトナムも共産主義国で首都の名前はホーチミン市、共産国家や独裁国家では指導者が権力を強化するため、新都市を建設する傾向がある。

習近平は鄧小平や江沢民を超えたいのだが、先人の時代とは中国が置かれている状況が異なっている。

毛沢東の時代、最初中国は国連に承認されてすらおらず、イスラム国のようにテロ組織扱いされていて、外国からの投資は皆無だった。


鄧小平の時代には改革解放がスタートし、外国企業が工場を建てるために投資を始めました。

江沢民の時代には中国は「世界の工場」と呼ばれるようになり、世界の全てのものを中国で生産しようという勢いだった。

その結果中国は経済成長し、中国の工場労働者の賃金は80年代の数十倍にもなりました。



膨らみ続ける中国の国家債務

今や外国企業は80年代の100倍近い投資をしないと中国で生産できなくなり、他のアジアの国よりコスト高になった。

そこで習近平の中国はハイテク化やIT化、消費経済への移行、投資経済の拡大などをやっているが、成長率は低下している。

2017年に中国は6.5%の成長を予定しているが、その大半は消費やITではなく「土木工事」などによるものです。


新都市建設には直接の政府投資だけで数十兆円が投入され、それが2つ同時で、民間投資はさらに巨額になる。

巨額の都市建設やインフラ事業を行って、工事そのものの経済効果によって成長しているのが、現在の中国の姿です。

消費やITでは年間2%前後しか経済成長しないのは、欧米や日本を見ればすぐにわかります。


中国国民は深セン、浦東の再現になると熱狂しているが、中国には既に数千もの鬼城と呼ばれるゴーストタウンが存在している。

経済成長を持続するために新都市を作りまくったのだが、中には人口100万人が住める無人都市も存在している。

中国の企業債務はGDPの166%、公的債務は277%に達していて、資本主義国で限界といわれる水準に達している。


2つの巨大都市建設で中国の債務状況はさらに悪化し、最終的な段階に近づいていくでしょう。

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