ネット中古車販売のビーピ(BEEPI)はあっけなく倒れた
Beepi-customer
引用:http://cdn.nocamels.com/wp-content/uploads/2014/09/Beepi-customer.jpg


IT企業の隆盛

リーマンショック以来続いてきたアメリカの新興ITブームに、ようやく収束の兆しが見えてきました。

新興ITブームは大きく3期か4期に分けられ、初めて大成功したのは90年代のIBMやマイクロソフトだった。

1998年ごろにアジア通貨危機、2001年に911テロ、2002年にITバブル崩壊があって初期の企業の多くが淘汰されていった。
スポンサー リンク

2003年から2007年までにグーグルやヤフー、アマゾン、新興企業ではないがヒューレット・パッカードなどパソコンやネット関連企業の隆盛期だった。

2007年から2010年までの世界経済危機で多くのIT企業は滅んでしまい、その後フェイスブック、テスラ、ウーバー、Airbnbなどが急成長した。

ITの根幹に関わるような企業は90年代に決着がつき、2000年代はパソコン、2010年代はスマホの利用を巡る攻防が展開された。


そしてスマホや携帯電話の保有数は人類の人口を上回り、成長限界が見えてきている。

最近成功したテスラ、ウーバー、Airbnbは今後成長が鈍化して、利益を出すのが困難になると見られている。

最近急成長したIT企業の共通点は、参入が簡単な市場で急成長したが、市場を独占して閉鎖しないと、新たな参入者に脅かされてしまう。


テスラの電気自動車については、テスラより上手く製造できる自動車メーカーは多く、今までは利益が出ないので参入しなかった。

テスラ自身も今まで利益を出した事が無く、おそらく今後も永遠にないかも知れない。

テスラと経営者が同じスペースXも同様で、「将来儲かるに違いない」という期待を持った投資家が、赤字で資金を出して経営している。



新興IT投資のブーム終了

これらの既に成功した企業は良いとしても、これから成功しようという新興企業たちへの、投資家の目は厳しくなっている。

テスラとウーバーは「いつか儲かる」という期待感だけで株価が上昇し、上がっている間投資家は儲かっていました。

だが会社としての利益がでないので、このままではやがてジリ貧になり、いつかは経営破たんするでしょう。

ウーバーも赤字で最近不祥事が相次ぎ、会社の存続が危ぶまれているうえに、特別な技術ではないので他社が簡単に参入出来てしまう。

ネット掲示板みたいなもので、フェイスブックのように市場を独占できないと、客は他の企業に移ってしまう。

民泊紹介サイトのAirbnbもアイディアサイトに過ぎず、誰でも参入できてしまうので安泰ではない。


ウーバーやAirbnbのようなアイディアサイトだった「ビーピ」という会社は、つい半年ほど前まで世界の脚光を浴びていた。

日本でもネット上の中古車売買が盛んだが、全米や世界規模で誰でもネット売買できるようにするという野心的なものだった。

ウーバーの例では既存中古車店を廃業に追い込んだが、逆にビーピが短期間で廃業に追い込まれた。


思うにインターネットで育ったハイテク企業の「無責任男達」は、現実世界では壁に突き当たる事が多い。

ウーバーやAirbnbがやっているのはネット上のサービスで、現実に車を運転したり客室のシーツを交換するのは別の人です。

フェイスブックやグーグルが成功しているのもネット上の仮想空間だけで、現実世界で大成功した新興IT企業は多くない。



新興というだけでモテた時代の終わり

仮想空間では多くの事が無料だが、現実世界では移動するだけでコストが掛かり、働かなくても8時間ごとに食事をするからです。

中古車販売のビーピもおそらく現実世界との関係がうまく行かず、投資家はウーバーのように、将来の夢には大金をださなかった。

それでもビーピは1億2000万ドルの資金を集めたが、ネット世界と違って現実では駐車場を借りるにも大金が掛かるので、すぐに枯渇した。


米中央銀行FRBが2016年から利上げを始めたのを契機に、アメリカは金余りから金不足に転換している。

利下げは日銀でお馴染みの「お金ばらまき」であり、利上げは逆に「ばらまいた金の回収」なので、株式市場や投資市場の資金も回収されます。

富裕層が蓄えてきた莫大な富も、結局は「ドル」という紙切れでしかないので、発行元のFRBが回収すれば消えて無くなります。


FRBが利上げしたがっているのは物価上昇率が上がりすぎて、インフレ懸念があるからで、今後数年間は続くと見られている。

利上げすると景気は悪化し株価は下がるので、投資家は胡散臭い振興企業への投資を控え、安全な国債を購入します。

米調査会社によると2014年から15年の2年間で、新興企業は約750億ドルの投資を得たが、2016年は大幅に減少した。


新興企業の4分の3は新たな資金を調達できておらず、投資は一部の有望な企業だけに集中している。

中古車販売のビーピは投資を切られた口で、今後アメリカで新興企業が成功するのは、極めて難しいのを示している。

シェフの出前というアイディアサイトを運営していたマンチェリーも、1億2000万ドルの投資を使い果たし、存続が危ぶまれている。


今後数年で米新興IT企業がバタバタと潰れるかも知れない。

スポンサー リンク