治安部隊に投石する人
Venezuela-protest
引用:http://www.globalresearch.ca/wp-content/uploads/2017/04/Venezuela-protest.jpg


経済破綻国家の混乱

南米の産油国ベネズエラが経済破綻して全土で暴動が発生し、食料や衛生事情が悪化しています。

外貨が底をついたために輸入が出来なくなり、医薬品が無くなり、乳児や妊婦が多くなくなっている。

マラリアが急増し、消毒や注射針やガーゼ、抗生物質なども手に入らなくなっている。
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貴重な医薬品は病院で盗まれたり、医師が私物化したり横流ししていると見られる。

その医師たちは20%に相当する1万3千人が、ベネズエラに見切りをつけて国外に脱出してしまった。

こうした事態に憤慨した国民は政府に抗議するためデモを行い、連日数万人が全土で大統領退陣を要求している。


デモは過激化し、警官や治安部隊と衝突して双方が投石や火炎瓶、催涙ガスや放水銃を使っている。

3月29日に同国最高裁は議会の機能を停止し、最高裁が立法権を行使するという決定を下し、国民の怒りを買った。

最高裁は大統領と癒着していて、野党が多数を占めている議会の権限を剥奪したのでした。


その後最高裁は決定を撤回したが、デモ隊の標的になり、最高裁判所周辺で治安部隊と衝突を繰り返した。

4月7日に最高裁が今度は、マドゥロ大統領の最大の政敵、カプリレス氏の政治活動を15年間禁止する決定を下した。

カプリレス氏は大統領選に2回出馬し、前回も僅差でマドゥロ大統領に敗れていました。



破綻した国の生活

南米最大の産油国ベネズエラは2000年代から2014年頃まで、原油高に乗って経済成長し、南米有数の経済を誇っていました。

輸出の98%が原油で原油高のうちは良かったが、中国経済の悪化などで原油価格が下落するとすぐに経済破綻しました。

ベネズエラの原油は中東やアメリカのような「サラサラ」ではなく粘度が高いので、産出コストが高いのに価格は安い。


原油価格下落によってすぐに採算割れし、1バレル50ドルの現在も、産出するだけ赤字だと言われています。

だが原油しか輸出品はなく、契約した分は輸出しなくてはならないので、赤字で石油を輸出しています。

通貨ボリバルは10分の1以下に下落し、インフレ率は500%以上、輸入品はスーパーから消えました。


5年ほど前は好景気で湯水のようにお金を使っていたのだが、僅か1年ほどで南米最貧国に転落してしまいました。

政府は食料や日用品を配給制にして価格統制したが、これが物不足を助長してしまいました。

価格固定なのでスーパーに入荷すると住民が押し寄せて、瞬間的に全て売切れてしまいます。


3歳以下の子供は、生まれてから一度もアイスクリームを食べた事が無く、見たことすらない。

政府は工場を差し押さえて国営にし、強制的に稼動させているが、代金を支払わないので原料やエネルギーを調達できない。

価格統制は闇経済を生み出し、例えば50円で売られるチョコレートを買い占めて、500円で転売するようなブローカーも現われました。



破綻のスパイラル

食料と日用品は平等に配給することになっているが、ベネズエラには「配給する政府機関」が存在していません。

戦前戦後の日本で配給制が機能したのは「配給する政府機関」が存在し、役人が正直だったからでした。

ベネズエラの役人は配給する食糧や日用品を、闇商人に流すので、配給されません。


ベネズエラが破綻した原因を一言で言えば収入以上にお金を支出したからで、バブル期に先進国並みの支出を行っていました。

原油価格下落で収入がなくなり、少しは支出を減らしたのだが、元の貧困国の水準には戻せませんでした。

例えばバブル崩壊後の日本が、トイレが汲み取り式だった頃の生活に戻れるかと言えば、戻れっこありません。


ベネズエラ破綻は多くの点でソ連崩壊に似ていて、ソ連も高度成長してアメリカ並みに支出した時期があり、破綻まで支出を減らせなかった。

価格統制によって経済を維持しようとしたが闇経済を生んでしまい、通貨が暴落して外貨建ての支払い不能になり、ある日崩壊してしまいました。

ベネズエラは新たな借金を増やして古い借金を返済している状況で、国際的な多重債務者と言える。


原油価格が劇的に回復したら、ベネズエラ経済も回復すると思うが、それが何年後なのか誰にも分かりません。

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