イージス艦に乗り上げるように衝突したのが分かる
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引用:http://www.yomiuri.co.jp/photo/20170617/20170617-OYT1I50012-L.jpg



フィッツジェラルドとコンテナ船が衝突

6月17日午前2時25分ごろ、米海軍イージス艦「フィッツジェラルド」とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突したと海上保安部に連絡が入った。

衝突したのはフィッツジェラルド(DDG-62)で、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦、ミサイル防衛システムに対応したイージス艦だった。

第7艦隊横須賀基地に所属し、最近は北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えるため、日本海などに展開していた。
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満載排水量8,362トンで乗船定員は337名、巡航ミサイルトマホークや弾道ミサイル迎撃システム、防空ミサイルなどを搭載している。

イージス艦は高度なレーダーシステムを搭載しているが、港湾内や沿岸を航行するときは、乗員が目視で安全を確認している。

イージス艦でも漁船と同様に、前方を目で見て確認し、軍艦だから航行が優先されることは無い。


写真ではフィッツジェラルドの艦橋右舷横の船体に衝突跡があり、レーダーを含む艦橋の一部も破損している。

先に侵入したフィッツジェラルドの横にコンテナ船が衝突しているが、海上法では相手を右に見るほうに、避ける義務があるとされている。

この場合、右舷に衝突されたフィッツジェラルドは「相手を右に見ていた」が、優先順位は諸条件によっても変わる。


例えばどちらかが追い抜こうとしていたり、すれ違いだったり、酷い例では軍艦を見物に接近したら衝突した漁船もあった。

コンテナ船はACX CRYSTAL(全長222.6メートル、2万9060トン)で自力航行していて、イージス艦は航行不能の状態にある。

海上法では長さ50メートル以上の船舶は航路を航行し、航路を横切る船が避けなくてはならない。


ACX CRYSTALは恐らく航路を航行していて、フィッツジェラルドが左側から航路を横切ろうとしたと想像される。

現場は静岡県石廊崎の沖合い20キロと、東京湾や横浜港に出入りする船舶と、横須賀軍港の軍艦が交差する場所に当たる。

フィッツジェラルドの乗員7人が行方不明になり、海に落ちたと見られ、ほかに1名が負傷しました。


フィッツジェラルドの排水量はACX CRYSTALの3分の1以下なので、横から衝突されて船体が大きく傾斜し、えぐられたと見られる。

状況からはフィッツジェラルドが見張りを怠った等の可能性が高いが、調査には長い時間がかかるでしょう。

ACX CRYSTALは日本郵船がチャーターし、フィリピン人の乗組員が20人乗っていたが、けが人などは居なかった。



護衛艦と民間船の衝突事故

過去には日本周辺で自衛隊の護衛艦が、何度か民間船舶と衝突事故を起こしていました。

2014年1月15日に広島沖で輸送艦「おおすみ」が、釣り船のプレジャーボート「とびうお」と衝突し、どちらが蛇行していたかでもめた。

生き残った釣り船の乗客は「護衛艦が速度を上げ蛇行を繰り返して体当たりしてきた」と証言したが、最初は「珍しい(空母みたいな船だから)近寄って見に行った」と説明していた。


「おおすみ」はGPSの位置情報をネット上で公開していて、衝突まで一度も進路を変えず真っすぐ航行しているのが記録されていた。

釣り船側は今でも「自衛隊がデータを捏造した」のような主張をしていて、このように位置データがあっても責任の所在で揉める事が多い。

2008年2月19日には千葉県沖でイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突する事故が起きていました。


この事故では漁船とあたご側双方に回避義務があったいう判決が民事と刑事で出されていた。

漁船を操舵していたのは船舶免許を持っていない息子だったが、こうした事は家族経営の小さな漁船では有りがちでした。

衝突の直接の原因は「あたご」の見張りが不十分だった事で、航海士は20分以上前に漁船を発見しながら、停止中と間違った報告をして、交代で業務を替わっていた。


この事故ではイージス艦に限らず、多くの護衛艦が乗務員不足で出港しており、十分な見張りが出来ない実態が報道された。

自衛隊は常に定員割れが続いていて、募集しても十分な応募が無く、また人数さえ足りれば誰でも良いというものでもない。

2009年10月27日には護衛艦「くらま」が大韓民国籍コンテナ船「カリナ・スター」に衝突される事故も起きていた。


第一富士丸船長は潜水艦に気づかなかったのではなく、客の求めに応じて見物しに接近したとも言われている
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引用:ついでに「なだしお」報道をhttp://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/satoumamoru/20080222/20080222155043.jpg



なだしお衝突事故

自衛隊艦船の衝突事故で、なんといっても最大の出来事は、1988年7月23日の「潜水艦なだしお」と釣り船の衝突事故でした。

横須賀港沖で潜水艦「なだしお」と漁船「第一富士丸」が衝突し釣り客30名がなくなりました。

当時はまだ米ソ冷戦の最中で日本がソビエト軍から攻撃される可能性があり、現在より防衛機密の壁が厚かった。


また当時漁船をチャーターして海釣りする釣りブームで軍港周辺が混雑し始めていたが、防衛庁はこれを軽視していた。

テレビは「潜水艦乗組員は救助せず眺めているだけだった」など一方的に潜水艦を悪者として報道した。

「なだしお」は浮上していたが周囲からは艦橋しか見えない状況で、「第一富士丸」からは確認していなかったと考えられる。


「なだしお」の左前方からヨット、右前方から「第一富士丸」が接近し、挟まれた「なだしお」は急停止と右旋回を掛けたが衝突した。

「なだしお」は警笛を鳴らしたが「第一富士丸」船長は意味が理解できず、何もしなかった。

なおこの時も船長と釣り客の発言が一致せず、第一富士丸の方から見物の為に潜水艦に接近して立ち塞がったとも言われている。


当時自衛隊の潜水艦そのものが一般にはあまり知られておらず、防衛庁側も急増する釣り船やボートを軽く考えていた。

2001年2月10日にはハワイ沖で米原潜が、実習船「えひめ丸」と衝突して沈没する事故を起こしている。

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