現行のSM-3ブロック1Aで迎撃可能なのはせいぜい頭上300kmまで、
将来配備されるSM-3ブロック2Aでは頭上1,000kmまで可能と言われている。
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引用:http://qnanwho.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_ddd/qnanwho/2-78a5c.jpg



頭上を飛び越える弾道ミサイルは迎撃できない

2009年4月5日に北朝鮮は大型弾道ミサイル「テポドン2改」を発射し、東北地方を飛び越えて秋田県沖の太平洋に二段ロケットが落下しました。

北朝鮮は人工衛星『光明星2号』の打ち上げだと称していたが、安保理決議で人工衛星打ち上げも禁止されていた。

この時麻生首相が弾道ミサイル迎撃命令を出すかが注目され、史上初の「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令した。
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弾道ミサイル対応イージス艦2隻を日本海に展開していたが、実際には迎撃ミサイルは発射されず、日本の領海内に侵入しなかったと弁解した。

緊急情報ネットワークシステム「エムネット」と全国瞬時警報システム「Jアラート」もこの時警報を発しました。

2009年に発射されたテポドン2改の最高高度は約500kmだったので、当時のイージス艦の迎撃可能高度を上回っていた。


このとき護衛艦「こんごう」などに搭載されていた、迎撃ミサイルSM-3ブロック1Aは迎撃可能高度500kmだった。

一見すると高度約500kmを飛行したテポドン2改に届くよう思えるが、500kmまで達するのはイージス艦の真上でしょう。

射程距離をバットの長さに例えると、50cmの長さのバットで高さ50cmまで届くのは真上だけで、距離が離れれば届く高さは低くなります。


新型の迎撃ミサイルSM-3ブロック2Aは迎撃可能高度1,000kmだが、まだ自衛隊のイージス艦には搭載されていません。

米イージス艦の何隻かには搭載されているようだが実験段階であり、2017年の迎撃実験では命中せず失敗していた。

北朝鮮は過去に4回、日本列島を飛び越える弾道ミサイルを発射し、2017年8月29日に5回目を実行し北海道沖の太平洋に落下しました。


反動が大きいので地面に設置して発射している(写真は火星14型)
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引用:http://www.sankei.com/images/news/170704/wor1707040044-p10.jpg



ロフテッド軌道とは

2017年8月29日に発射されたのは2017年5月に発射されたのと同じ「火星12型」と思われ、テポドンのように据え置きではなく大型トラックで移動して地面に設置して発射する。

日本列島での最高高度は550kmに達したと考えられ、やはりSM-3ブロック1Aの迎撃可能高度を超えてきました。

SM-3ブロック1Aも2Aも基本的に「自分方向に向かってくる弾道ミサイル」を迎撃するもので、違う方向に飛行するものは迎撃困難です。


例えば理論上は迎撃可能範囲であっても、超音速で自分から遠ざかっていく弾道ミサイルを追跡して迎撃するのは不可能です。

同じように横方向に通過していく弾道ミサイルも困難だし、頭上を迎撃可能高度ギリギリに通過する弾道ミサイルも迎撃困難です。

日本の弾道ミサイル対応イージス艦は4隻しかないので、発射を警戒していたとしても日本海に張り付けるのは2隻だけです。


米海軍のイージス艦数隻も展開していた筈ですが、迎撃ミサイルは「通り過ぎていく物」を迎撃するのが苦手なのです。

北朝鮮はグアムへの弾道ミサイル発射を予告していたので、グアム周辺と日本海周辺に展開し、北海道沖の太平洋は空白だったでしょう。

北朝鮮はいつもこうしてイージス艦を避けるように弾道ミサイルを発射し、日本海に発射するミサイルは「ロフテッド軌道」で打ち上げています。


ロフテッド軌道は通常より急角度で発射する事で、距離は数百キロしか届かないものの、高さは2000km以上にも達する。

ロフテッド軌道だとほとんど真上から垂直にミサイルが落下し、速度もマッハ10以上なので、落下地点付近にたまたまイージス艦が居ないと迎撃は困難です。

逆に言えば北朝鮮は弾道ミサイルがイージス艦によって迎撃されるのを恐れていて、必ず避けて発射します。

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