爆弾の威力や高度などの条件によって被害は異なる
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引用:http://www.yomiuri.co.jp/photo/20170523/20170523-OYT8I50034-L.jpg



電磁パルス攻撃の被害

北朝鮮による弾道ミサイルの脅威が高まる中で、電磁パルス攻撃の被害が注目されています。

北朝鮮は核弾頭を高高度で爆発させ、電磁パルス(EMP)攻撃を実施する能力があると誇示しています。

実際に保有しているのは確認できないものの、実行された場合に大きな被害が出ると予測されています。
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電磁パルス攻撃とは上空100km以上で核爆発を起こし、強力な電磁波を発生させる電波攻撃です。

上空で強力な電磁波が発生すると、電子機器に過電流が流れて、機器が破損する恐れがあると言われている。

電磁パルス攻撃を受けるのは軍事設備だけではなく、むしろ民間設備の破損が懸念されています。


防衛省の防衛研究所資料によると、特筆すべき脅威として「ブラックアウト事態」を挙げている。

カナダ・ケベック州では1989年3月に、太陽嵐によるたブラックアウト(大停電)事態が発生していました。

防衛省によるとブラックアウト事態とは、、一時的で局地的な停電ではなく、不可逆的で広範囲な現象をさしています。


不可逆的とは「2度と元に戻らない」という意味で、スイッチを入れ直したり、時間が経っても復旧しない。

発電所や変電所、あらゆる送電設備や電子機器が破損し、すべてを修理か交換しないと、2度と動作しません。

通信途絶、電話、鉄道輸送、無線、コンピューター、輸送網、飲料水や燃料の供給、商取引の停止などが同時に起きると想定されています。



電磁パルスの被害を受けたら

核爆発による電磁パルスや高周波マイクロ波の被害はアメリカでは1950年代に注目されるようになりました。

1962年にアメリカは105回もの核実験を行い、大半は地下などではなく大気中で核爆発させました。

弾道ミサイルで核弾頭を打ち上げ、ハワイから1,400km離れた太平洋上高度約400km、あるいは高度約1,040kmで水爆を爆発させた事もある。


高度約1,000kmの水爆実験では、3,300km以上離れた米本土の都市でブラックアウト現象が発生しました。

高度約400kmの水爆実験では、1,400km離れたハワイで電子機器の不具合が観測されました。

この時の被害はブレーカーが切れる、街灯が消える、防犯警報装置が誤作動するなどだった。


アメリカは都市から遠く離れた海上で実験したが、ソ連には外洋がないので、内陸部で同様の実験を実施しました。

ソ連の大気中水爆実験では、半径600kmに渡って電力供給が断絶し、地下ケーブルも焼け焦げるなどの被害が出ました。

試算ではモスクワ上空、高度160kmで水爆による電磁パルス攻撃が行われた場合、半径1,600kmに渡って障害が発生する。


仮に日本の首都圏上空でEMP攻撃が行われると、半径数百キロの範囲で「不可逆的に」配線が焼けたり電子機器が壊れる事態が予想される。

始末が悪いのは復旧や修理には電気が必要なのに、発電所は発電できなくなり、ガソリンスタンドも給油できなくなる。

自動車の電子制御式の燃料噴射装置なども動かなくなり、電車やディーゼル気動車も運行不能になる。



日本に着弾しなくても攻撃可能

使用できる移動手段は自転車だけで、むろん信号は消え、携帯電話も固定電話も無線機も壊れてしまう。

外部から壊れていない機器を搬入するしか復旧方法はないが、日本列島の上空で何発も爆発させた場合、九州から北海道までの全ての電子機器が破壊されてしまう。

こうなると日本国外から壊れていない機材を搬入するしかなくなり、数十年間は電子機器をほとんど使えなくなる。


農機具とか肥料の生産も一切出来なくなるので食料生産もできなくなり、多くの人が飢えてなくなる可能性もあります。

今のところEMP攻撃を受けたら「何キロ以内でどんな被害がある」というデータは公表されていません。

日本は核兵器を有していないので、その手の実験を行った事も無く、従って防御する研究もほとんど行われていません。


銃を使った事が無い人が、銃への対処法を考えるのが困難なように、核兵器を保有せずに核防御の研究をするのは困難でしょう。

EMP攻撃は地上近くで核爆発するほど狭い範囲に大きな被害を受け、高度が上がるほど、広範囲に浅い被害が出ると言われています。

迎撃ミサイルは高度1,000kmで迎撃可能とされているので、そうした命中精度を上げていくしかない。


EMP攻撃は別な問題も日本に突きつけていて、今まで政府は「領土内に命中しないので迎撃しなかった」と説明してきました。

だが電磁パルス攻撃は高度1,000km以上で核爆発させても有効なので、日本の領海に着弾せず、飛び越えていくコースでも攻撃が可能です。

領海に落ちるかどうかは今後無意味になり、日本の上を素通りするコースでも、迎撃する必要が生じます。

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