灯油暖房は70年代急速に普及した
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引用:http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/01/01040201/01.gif



欧米はセントラルヒーター、後進国は薪や石炭

冬になると日本では石油ストーブや石油ヒーターが大量に量販店などに並び、寒くなるほど購買意欲をそそります。

また1年ぶりに押入れから出した石油暖房器具を点検し、新しい灯油を買うのは年中行事になっています。

ところがこの石油暖房器具は世界的にはあまり使われておらず、メーカーの市場はほぼ日本だけに近い状況です。
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日本以外の欧米先進国ではセントラルヒーティングが主流で、高気密住宅で部屋ごとの暖房を必要としません。

また欧米では部屋の中で物を燃やす事は無く、今どき暖炉で薪を燃やす家庭もあまりない。

アメリカでは州によっては室内で石油暖房が禁止されていて、専用の煙突で排ガスを外に出さなくてはならない。


欧州でも室内で燃焼式暖房を設置する場合は、サンタクロースが入るような煙突をつける。

石油をGSで売っていない場合も多く、石油ストーブやファンヒーターもあまり売っていない。

先進国には石油ストーブやファンヒーターの市場自体が存在していないが、日本では灯油の強力な火力が好まれている。


日本の住宅は基本的に夏を涼しく過ごせるように作られていて、一部を除き冬の事はほとんど考えられていなかった。

冬でも住宅のどこかから隙間風が吹き込み、住宅の構造そのものを変更しないと、セントラルヒーティングは困難です。



市場は日本だけ?

では先進国ではなく後進国や新興国はどうかというと、それぞれ難しい事情があって普及していない。

まず東南アジアなど赤道近くの温かい国では、灯油を使うほど暖房を必要としておらず、普及は絶望的です。

人口13億人の中国はどうかというと、まだ石炭や薪などを使っていて、石油暖房は主流ではありません。


北京は冬になると物凄い大気汚染ですが、冬の石炭暖房が主な原因だといわれています。

また中国では石油ファンヒーターに使えるような高品質な灯油が販売されておらず、日本製ファンヒーターは故障してしまうという事です。

ロシアなど寒さが厳しい国は部屋ごとに石油ストーブを燃やしてもまったく間に合わないので、家全体を集中暖房します。


結局世界で石油ストーブの需要があるのは、気候が寒すぎず暑すぎず、良質な灯油が安く買える先進国に限る事になります。

しかも室内に排ガスを出すため、隙間風が自然に入り込んで窒息しない住宅も条件になります。

日本国内の石油(とガス)暖房の普及率は、北海道8割、東北や日本海側5割、西日本2割などとなっています。


この中で寒い地域は必ず石油ストーブを買い、西日本や沖縄は少々寒くても電気ストーブなどで済ませてしまいます。

東京など関東周辺だけが、寒いと石油ストーブを買い、寒くなければ買わないという消費行動をします。

石油ストーブ、ファンヒーターが売れる売れないは、関東周辺の狭い地域の冬の気温で決まります。


日本でもセントラルヒーティングや電気暖房が増えてきているので、将来的に石油暖房器具は減っていくかも知れません。

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