ハーレーは数少ないアメリカ製品の象徴
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画像引用:https://si.wsj.net/public/resources/images/MK-CD246_DATA_S_P_20130515172817.jpg



関税制裁でアメリカからEUに工場移転

米オートバイメーカーのハーレーが6月25日、欧州内に一部生産拠点を移すと発表した。

ハーレーはEUで年間4万台を販売しているが、EUはアメリカ製オートバイの輸入関税を突然引き上げた。

引き上げ幅は6%から31%という急激なもので、1台当たり2200ドル(約23万円)もの負担になる。

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ハーレーの新車は200万円以上もするが、さすがに車両価格10%にも相当する関税は堪えるようです。

同社は関税によって年間1億ドル程度の収益悪化を見込み、その分をEU工場建設に使うことにした。

上手くいけばハーレーは1億ドルを永久に支払う替わりに、一度だけ工場の建設費を支払うだけで済む。


EUの関税はトランプ大統領がEUからの輸入製品に関税を課す「アメリカファースト」への報復だった。

トランプは欧州車に高率関税を課すと予告していて、「嫌ならアメリカで生産しろ」とも言っていました。

EUは報復としてハーレーに高額関税を課し、「嫌ならEUで生産しろ」と言いハーレーは従う事にした。



国外に移転するハーレー

もっともアメリカとEUはアメリカの貿易赤字なので、EUの報復関税は無限に拡大できない。

アメリカは欧州連合に2016年は1,463億ドル、2017年は1,535億ドルの貿易赤字となっており、5660億ドルの27%を占めている。

対日貿易赤字は688億ドル、中国が3,752億ドルなので対EUは貿易赤字の2位で、中国とEUだけで93%にも達している。


アメリカとしては中国とEUの貿易赤字を解消すれば,問題は解決したことになります。

日本に対してはアメリカは安全保障を提供しており、独自の防衛力を持たない日本はアメリカの言いなりになる。

トランプ大統領は「報復にはさらなる報復を課す」と宣告し、実際報復した中国には何度も追加制裁を発表している。


ハーレー工場の国外移転は金額としては小さいが、「アメリカの誇り」として80年代から90年代の日米貿易摩擦でも焦点になった。

そのお陰で日本では750cc以上の販売が認められ(禁止されていた)、教習所で大型2輪免許を取得できるようになった。

ハーレーはタイでも新工場を建設し、一方ではミズーリ州の工場は閉鎖を決めている。


ハーレーはトランプがTPP離脱を決めた影響でミズーリ工場を閉鎖し、アジアの販売拠点としてタイに移転を決めていた。

今度は米国の対EUの報復関税によってEUに新工場を建設し、その分国内生産は削減される。

米国では反トランプ派を中心に、トランプの関税政策の失敗の象徴と受け取られている。

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