ギリシャ危機の時にメルケルは「ドイツ人は優秀だから金持ちだ。ギリシャ人は怠け者だから貧乏なんだ」と言った
実際にはギリシャ人の労働時間はドイツ人よりずっと多い
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画像引用:https://www.elsiglodetorreon.com.mx/m/i/2015/03/699053.jpeg



ドイツの高成長マジックの種明かし

ドイツ経済省は4月、2019年のGDP成長率予測を0.5%とし、従来予測から半減した。

2019年の成長率に関しては、去年の段階では2.1%だったが、1.0%に引き下げさらに0.5%になった。

同省は2020年成長率を1.5%としているが、今後は1%前後が常態化するでしょう。

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ドイツの成長率は2010年に3.94、2011年も3.72、2016年から17年は2%台と他の先進国よりかなり高かった。

ドイツ経済をけん引したのは輸出で、特に関税がかからないEU域内では絶対的な強さを見せている。

EU加盟国で継続して貿易黒字はドイツだけで、他のすべての加盟国は貿易赤字という極端な構造です。


EU域内では関税がないうえに国境がないので税関検査がなく、トラックは国境で一時停止すらしていない。

EU外ではこうはいかず、ドイツの隣国のスイスに輸出するには、何十枚もの書類を用意して何日も待たされ、高額な関税を取られている。

おまけにスイスフランとユーロは別通貨なので、スイスへの輸出が増えればスイス通貨安になりドイツからの輸出が不利になる。


統一通貨ユーロによって域内国家には通貨変動がなく、いくら輸出しても円高やマルク高にならない。

日本は輸出すると円高になり、自分が輸出したお金が円に換金されることで、定期的に超円高を招いている。

ドイツはこのように、ドイツだけに有利なシステムを最大限利用して輸出で稼ぎ、20年ほど我が世の春を謳歌した。


だがEUといえども大きさには限りがあるので、市場を食いつくしてしまい飽和状態になっている。



ドイツの我が世の春の先


10年前の2009年にギリシャ危機が起きた時、メルケル首相は「ギリシャ人は怠け者だからお金に困っているが、ドイツ人は優秀で働き者だから豊かだ」と真顔で言い放った。

イタリア危機でも同じようなことを言っていたが、この頃がドイツの絶頂期であり、既に転落の芽はあった。

「わが民族は地上で最も優秀なのだ」と最高権力者が真顔で言うような国は、その時がピークで後は下り坂です。


そういえば北京五輪の時の中国や、1960年代のソ連も同じことを言っていました。

ドイツの悩みは先進的なイメージとは逆にITで遅れていて、強いのは自動車のような製造業に偏っている。

しかもドイツ国内ではEV用バッテリーやモーターを製造できないので、ライバルの日本に頼っている。


先日VWはEVの半数を中国で生産すると発表したが、原因はバッテリーやモーターを国産できないからでしょう。

中国で生産する方が中国製や日本製や韓国製部品を使えるし人件費も安いので、ドイツで製造するより良い。

だがこんなことをすればドイツ製造業の空洞化に拍車がかかり、ますます弱くなってしまう。


日本では称賛されるドイツの生産性だが実は褒められたものではない。

ドイツは年間休日150日以上で一日8時間以上の労働を禁じられていて、残業させても年間平均は一日8時間以内でなくてはならない。

これでは国際競争力が保てない気がするが、強い輸出産業のおかげでドイツ人は世界一「怠け者」でも高収入でいられた。


大変歪んだ仕組みであり、我が世の春が終わったら今までの生活を一変させる必要があるかも知れない。

「ドイツ人は優秀だから働かなくても金持ちだ」と思い込んだ国民を変えるのは簡単ではない。


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