牛肉関税が9%になると牛肉自給率(赤線)は9%以下になる
000237733
画像引用:畜産の情報-平成29年度の牛肉自給率、前年度から2ポイント減の36%-2018年10月https://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2018/oct/beef-jp.htm



輸入牛肉はどこまで安くなる?

近年アメリカ産やオーストラリア産の安い牛肉がスーパーで売られていて、豚肉や鶏肉並みに安い。

一方でサバ缶など従来安かった魚の缶詰がどんどん値上がりし、1缶200円近くなっている。

まだ牛肉の方が高いのだが、このまま牛肉値下がりとサバ缶値上げが続けば、いずれグラム当たりで逆転するかも知れない。

スポンサー リンク

総務省の年次調査だと輸入牛肉価格は1990年代に100g400円以上だったのが2000年代に300円台、2010年代に200円台と下がっています。

これは平均なので100g1000円以上のもあれば、100g100円のがあるかも知れません。

90年代には日米貿易摩擦、2000年代にも貿易摩擦、2010年代のいまも対日貿易赤字で貿易摩擦が起きています、


そのたびに米国は日本の農業解放を要求し、アメリカが得意とする肉類の障壁を取り払いました。

この結果昭和40年に100%近かった牛肉自給率は、昭和60年に70%、現在は35%程度になっています。

日本はTPPに加盟したので、牛肉関税は16年をかけて38.5%から9%にまで引き下げられる、


2034年に牛肉関税が9%になったら、国産牛肉の市場占有率も9%以下になるでしょう。

ごく一部の超高級牛肉を除くと、10数年後に国産牛肉はなくなると推測できます。

ところがおもしろいことに、牛や豚が輸入になることで、日本の食料自給率は少し上がる可能性があります。


日本が輸入しているトウモロコシなど穀物の多くが家畜飼料だからで、家畜生産を辞めれば輸入する必要がなくなります。



日本に輸出したいがTPPに加盟したくないアメリカ

アメリカはTPPに加盟していないが日米FTAでTPP並みの市場開放を求めていて、それでいてアメリカ側は市場開放を渋っている。

アメリカは自国農業に最大50%もの補助金を出しているので、米牛肉にも多額の補助金が出ている。

たとえアメリカが補助金を撤廃してもその分オーストラリア産牛肉が増えるだけなので、日本にはあまり影響がないとも言える。


カナダ、ニュージーランド、メキシコ、オーストラリアはTPP加盟国なので、域内の牛肉関税は段階的に9%まで引き下げられる。

2018年12月に38.5%から27.5%に第一弾の関税引き下げがあったが、財務省によると19年1月は前年同月から60%もTPP国からの輸入増加した。

するとTPPからの輸入が増加した分アメリカからの輸入は減少してしまい、トランプはTPP並みの「公正な扱い」を求めている。


アメリカにとって不利なのは日米がEPAを結んでいないため、米国からの牛肉輸入が17%増加した時点でセーフガードが発動され、それ以上輸入しなくなる。

TPP加盟国は6割増加したのに、アメリカは最大17%しか輸出を増やすことができない。

同じ構図は豚肉でもあり、アメリカは日本に輸出したがっているが、TPP加盟国より不利な条件になっている。


アメリカがTPPに加盟すると日本には輸出できるがカナダやオーストラリアが攻勢を掛け、打撃を受ける可能性がある。

TPPの「旨み」は得たいがTPPの痛みはごめんだ、というのがアメリカの立場です。

スポンサー リンク


スポンサー リンク