昔の定年は50代だったが今は65歳か70歳まで、会社は高齢者だらけになった
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企業は終身雇用を辞めたい

最近大企業経営者から、終身雇用制度は限界だとか、終身雇用を辞めたいという発言が相次いでいます。

大企業はなぜ終身雇用を辞めたがっているのか、そこには日本企業の競争力低下が関わっていました。

元日立の経団連中西会長は「今後、終身雇用を続けるのは難しい」と発言したのに続いて、豊田章男社長も同様の発言をしている。

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豊田社長は「雇用を続ける企業へのインセンティブ(見返り)がないと、終身雇用は難しい」と発言しています。

終身雇用制度ができたころ、日本人の平均寿命は今よりずっと短く、終身雇用と言ってもせいぜい55歳までを指していた。

1950年の平均寿命は60歳だが男は少し短いので、55歳まで生きれば天寿を全うしたことになった。


そんな時代なら16歳から50歳まで終身雇用しても企業に負担はなかったが、寿命が延びるにつれて定年は延長された。

1960年代に55歳定年が主流になり、80年代に60歳定年、2000年代には65歳定年、さらに65歳以上にも雇用が奨励されている。

企業からすれば終身雇用は50歳までだった筈なのに、いつのまにか70歳まで延長されてしまった。


会社は高齢者ばかりで若い人は少なく、活力のない融通の利かない社風になってしまっている。

高齢者はどうしても若者より運動量が少なく、柔軟性に欠け、新しいものを覚えられず、ミスが増えていく。

インターネットやエクセルをやっと覚えたら、次は英語やプログラミングと言い、それもすぐ古くなる。



終身雇用で日本企業は衰退した

日本企業はITで欧米やアジアにも遅れているとされるが、会社に高齢者が増えたのと無関係ではない。

アメリカではIT技術が必要となったら、工場労働者や古い技術者は即日解雇し、技術や知識を持つ人と総入れ替えします。

ハリウッド方式とも呼ばれるが、その時必要な人材を集めて新たなプロジェクトを始めます。


日本は今までの技術が古くなっても解雇せず、英語やインターネットやプログラミングを教えるところから始めます。

結果アメリカなら3か月でできるような事を、日本は10年かけてやらなくてはならない。

先端分野で日本企業が周回遅れになる例が非常に多いが、社員教育から10年かけてやっと新技術を導入できるのなら周回遅れも止むを得ない。


この終身雇用制度が生まれたのは明治時代で、江戸時代には会社で働く習慣がなたったため、人々は日雇い感覚で働いていました。

当時の先端産業は鉄鋼や造船だったが、定着率が悪く熟練職人が育ちませんでした。

そこで企業はボーナス、終身雇用、年功序列といった制度で労働者の定着を図ったのが始まりです。


第二次大戦でまた日雇い感覚に戻り、労働争議で大混乱する中で、混乱を収めるため再び終身雇用に戻っていく。

労働争議は不満を持った労働者が暴れていたので、ボーナスや終身雇用をぶらさげて手なずけていった。

企業側の事情による解雇が法律で禁止され、制度として定着して今日に至ります。


終身雇用制度では、例えば企業はコンピュータプログラマを必要としているのに、技能を持たない労働者を解雇できない。

50過ぎのおじさんにプログラミングを覚えさせようとするができる筈がなく、時間だけが流れて会社は経営危機に陥ります。

思えば東芝もシャープもサンヨーも、こんな風に危機が進行したのかも知れません。


ところで現在終身雇用が適用されているのは一部の大企業とせいぜい中企業だけで、大企業ですらリストラで終身雇用されない人が増えています。

すると終身雇用の恩恵を受けているのは日本の労働者の1割程度で、多くの人にはまったくどうでも良い話です。

それより問題なのは役所の終身雇用で、民間ではほとんど行われていないのに、18歳で就職すれば65歳までずっと雇用されています。


「終身雇用はもう続けられない」と本当にいうべきなのは役所や省庁でしょう。

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