90が基本だがアメリカでは70座席の需要が見込める
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画像引用:http://pic.carnoc.com/file/161014/16101406492917.jpg



最悪の逆風で離陸するMRJ

初の国産ジェット旅客機MRJが体制を見直し、米国本社をオープンさせたり名称をスペースジェットに変更している。

背景には販売不振があり、2016年以降は1機も新規受注がなく、キャンセル報道もあった。

こうなった理由の一つは5度の開発遅延やライバルの新型機投入だが、より深刻なのは市場の縮小です。

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当初MRJの90席前後の小型ジェット機は3000機から5000機もの需要が見込めるとされ、だから三菱重工は参入しました。

参入を決めた2008年ごろは原油価格が140ドル以上の最高値をつけ、中国需要からもっと上がると考えられていました。

航空各社は燃料代のために赤字になり、悪名高いサーチャージ料金を徴収していました。


その後原油バブルが弾けて2016年には1バレル20ドル台になり、1桁すらあり得ると言われていました。

現在は1バレル50ドル台まで回復しているが、航空会社は利益が出ており、低燃費の小型ジェット機の需要はない。

小型機メーカーは販売不振に陥り、MRJのライバルのカナダ・ボンバルディアは2017年にエアバス傘下企業となった。


もうひとつのブラジルのエンブラエルも2018年にボーイング傘下企業となり、2社とも事実上経営破綻した。

そんな最悪の情況下でデビューするのがMRJで、2年以上受注がないのも止むを得ないと言えば、止むを得ない。

MRJにとっての順風は原油価格高騰と世界経済危機で、旅行者が減り航空会社の経営が悪化すると、再び小型機の需要増が期待できる。


エアバスとボーイングも正にその点に期待して、エンブラエルとボンバルディアに投資したと考えられます。



経済危機と原油価格高騰こそMRJに順風

MRJは座席数90席クラスの機体で開発したが、販売が頭打ちになり座席数の増減が必要になっている。

最大市場のアメリカでは労使対立からリージョナルジェットは最大76席、離陸重量39トンまでと定められた。

77席以上の小型ジェット機は地域航空会社が自社運航するのは良いが、大手航空会社での運航は認められていない。


これがMRJの北米販売を直撃し、大量に購入する筈だった大手航空会社は1機も注文しなくなった。

このため三菱は70座席型のMRJ70を開発予定で、2021年にも投入が予定されていました。

市場縮小に伴って生産計画も縮小され、国産部品は使うものの、米国で生産組み立てを行う模様です。


市場が好転すればまた情況は変わりますが、今は縮小した市場で生き残るのが重要です。

三菱重工としてはMRJだけで終わるのではなく、今後さらなる中型機を開発し成功したい。

MRJだけでは年間2000億円程度の売り上げだが、中型機や大型機は数兆円のビジネスになる。


MRJの開発コストはピークを過ぎ、三菱重工の経営も黒字に戻ったので、着実に利益を出して時期を待つ必要がある。

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