過去の通貨安競争では、いつも円だけが値上がりし超円高になった
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画像引用:https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/nakajima/data/08_figure_1.gif



米中対立は通貨切り下げ競争へ

米中の貿易対立は貿易だけにとどまらず、安全保障や外交対立も引き起こしている。

貿易には通貨レートが大きく影響するが、米中が自国のドルと人民元を切り下げて有利にしようとしている。

アメリカは中国からの輸入品の大部分に25%関税を用意していて、米中協議決裂なら6月中に発動される。

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対する中国はレアアース輸出制限と米国債売却をちらつかせるが、対抗手段としてどれほど効果があるか微妙です。

というのはレアアースの中国埋蔵量は世界の3割に過ぎず、環境汚染とコストの問題で他の国は採掘していないのです。

中国が輸出制限すればレアアース価格が上昇し、環境に配慮した採掘でも採算を得られるようになるでしょう。


米国債売却については、仮に全額売却したらFRBが買い取れば良いだけで、日銀が日本国債を買うのと同じで、誰も困りません。

次に中国が考えているのは通貨の人民元切り下げで、アメリカが25%関税を掛けるなら、25%人民元を安くすれば元建てで同じ額を輸出できる。

人民元は1ドル7元以下で固定されているが、7元以上への切り下げを予定していると言われている。


もっとも人民元の場合は暴落する可能性もあるので、当局は常に為替介入をして適正に保たなくてはならない。

もしオーバーシュートして1ドル10元以上になったら、かなりの経済混乱が予想されます。

中国政府は従来、1ドル7元以下を絶対防衛圏としていたが、そうした基準はあいまいになっている。



1ドル7元の米中攻防

中国は1ドル7元以下の元安に誘導して輸出を有利にしたいが、話はドル円ほど簡単ではない。

円の場合日本政府にとって「高すぎる」事だけが問題で、安い方はいくら安くなっても問題は無かった。

実際1ドル360円に戻ったら困るのだが、日本政府が力いっぱい為替介入しても、1ドル120円台より安くならない。


中国はこれとは違っていて、元が高くなると貿易が不利になるので安く誘導しているが、一方で暴落懸念も抱えている。

かつて英ポンドが半値になったように、人民元を空売りして潰してやろうという「投機筋」が手ぐすねを引いて待っている。

中国の経済統計は虚飾に彩られていて、本来価値の2倍も高いというのが反人民元派の言い分です。


もし人民元の価値が半分になれば中国のGDPも半分になるので、空売り派にとっては適正水準になる。

中国は米国が1985年プラザ合意のように、G7などで人民元レートを高くするのではないかと警戒している。

プラザ合意前に日本円は1ドル260円だったが、2年後には120円まで円高が進み、以来日本円は円高基調になった。


アメリカは元安に警戒する一方でユーロが安すぎると言い、対ドルレートを安値に誘導していると批判している。

こうした批判は日本など多くの国にもおよび、その意図するところはドルを切り下げたいという事のようです。

日本も円を安く誘導する政策(金融緩和)を5年前から行っていて、主要各国全てが自国通貨を安値に誘導しようとしている。


過去のこうした通貨競争では日本円だけでが独歩高で超円高というパターンが多かった。

日本円は巨大な経常黒字によるドル流入で「世界最強通貨」なので、他国通貨が下がるほど円が値上がりする仕組みになっている。


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