屋台の親父から大富豪になるようなチャイナドリームは無くなった
src_15821407
画像引用:『大連の黒石礁で屋台街B級グルメ食べ歩き』大連(中国)の旅行記・ブログ by あんいえさん【フォートラベル】https://4travel.jp/travelogue/10327613



中国の全盛期は10年前に終わっていた

中国が世界の工場だった時代は過去10年で終わろうとする気配があったが、人々はなかなか認めなかった。

中国政府は国内工業を守ろうとし、投資家は製造業に投資し、労働者は今後も仕事があり続けると思っていた。

実際には2009年頃から既に中国沿岸部より人件費が安い東南アジアや南アジアに、欧米や日本の工場移転が始まっていました。

スポンサー リンク

それでも中国から出ていくより多くの外国資本が新たに中国に進出したので、表面上何も起きていませんでした。

事態が急展開したのは2019年に米トランプ政府が対中貿易制裁を打ち出しからで、中国からアメリカへの輸入全てに25%関税がかけられる事になった。

こうなると米国企業は中国から脱出するしかなく、中国の子分のようだった台湾企業すら東南アジアへの移転を進めている。


中国が本格的に経済成長し始めたのは1989年の天安門事件以降だったので、中国の全盛期は実質20年間ほどだった。

トランプ大統領は致命的な一撃を加える事になったが、10年前から深刻な事態が進行していて、それが表面化しただけでもある。

北京五輪が開催された2008年に中国は、50兆円もの景気対策をし、以降毎年規模を拡大して公共投資によって経済成長してきた。


中国の投資効率は20%以下なので、年80兆円の成長をするには計算上400兆円以上の投資(民間投資を含む)が必要になる。

これは毎年中国の公的債務が300兆円以上膨らんでいるのを意味し、GDPの3倍以上に達していると見られる。

無理に無理を重ねて成長率を維持してきたところにトランプの一撃が加えられ、中国が助かる見込みはもうなくなった。



中国のルール無視が通用した時代

米中交渉の結果中国が国内制度を変える可能性はなく、中国側は絶対に譲歩する事ができない。

現在アメリカ企業は中国で不当な扱いを受けても訴える事ができず、仮に訴えても裁判所は100%中国側の味方をする。

逆に中国企業は欧米や日本で不当な扱いを受けたら「資本主義のルールに基づいて」訴えただけで公正な扱いを受けることが出来た。


国連や温暖化会議ですらそうで、中国側は一切ルールを守らないのに、日米欧だけが中国企業を守ってきた。

この不公正ルールこそ中国の成長の原動力で、中国人が優秀だったのでも働き者だったのでもなかった。

中国は共産主義で共産党が国家より上に立つ制度なので、共産主義を否定する事はできない。


資本主義や民主主義のルールを導入したら共産党と共産主義が毀損されるので、アメリカのようなルールにはできないのです。

すると中国は今後日米欧に対して「公正なルール」を要求できなくなり、中国企業は先進国で商売ができなくなります。

今まで中国は自分は一切ルール無視だったのに「アメリカはルールを守れ!」と怒鳴れば最恵国待遇を受けれた。


中国人の不幸はこんな時代が終わろうとしている事で、自分が不公正な事をしてきたのに気付いていないのです。



チャイナドリームの終わり

中国内陸部の浙江省、河南省、四川省などの工業地帯では今、工場がバタバタと倒産し閉鎖されています。

象徴的なのは日本で良く見かけるママチャリが、中国から徐々に東南アジアに生産移転し始めている。

オートバイではすでにほとんどの日本メーカーが、東南アジア製を日本に輸入して販売するようになっています。


スマホとか半導体も中国から東南アジアに移転したり、消費国に近い国での生産が増えています。

欧州で売るには東欧工場で、アメリカに売るにはメキシコなどで、日本で売るには東南アジアでというように生産移転が進められている。

中国では天安門以降、働いて起業して大企業のオーナーになるようなチャイナドリームが存在しました。


今は屋台で10元の定食を売っていても、いつかは大成功してビリオネアになるというのが貧しい人々の労働意欲を支えてきた。

外資撤退と工場閉鎖にともなう消費減速で、人々はお金を使わなくなり屋台からレストランチェーンのオーナーになるのは不可能になった。

アリババのようなネット販売は年間2桁成長をしているが、不思議な事に中国の消費市場は5%ほどしか伸びていない。


中国の物価上昇率は年2%以上なので、実質的な消費は年2%台しか増加していない。

これは要するに実店舗からネット上に消費が移動しているだけで、アリババが増えた分だけ店舗の売り上げが減っている。

中国の経済成長率は6.5%だがここから物価上昇率を引くと4%、地方政府などの水増し分を1%以上とすると年間実質2%台になる可能性が高い。

スポンサー リンク


スポンサー リンク