ボンバルディア買収でMRJは2強の一角に浮上した
YTR
画像引用:https://asia.nikkei.com/Business/Aerospace-Defense/Mitsubishi-prepares-70-seat-SpaceJet-for-takeoff-in-2023



ボンバルディア買収で正式契約

三菱重工は19年6月25日、ボンバルディアの小型航空機事業の買収契約を正式に締結したと発表しました。

非公開だった買収金額は5億5,000万ドル(約590億円)と発表され、これはかなり割安な印象を受けます。

三菱のMRJは今、世界各国のサービス網や整備拠点の構築で苦戦しているが、ボンバルディアはすでにそうしたものを持っている。

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ボンバルディアは小型ジェット旅客機市場で3割以上のシェアを持っており、CRJは全世界で使用されている。

三菱は欲しかった全世界でのサービス網を、破格の600億円で手に入れる事ができる。

ボンバルディアのCRJは初飛行が1991年、原型のチャレンジャー600は1978年初飛行という大ベテランです。


過去の名機だが設計が古く、今後数年で生産終了し後継機は開発されていません。

ボンバルディアの中型機Cシリーズは既にエアバス傘下となっていて、CRJは事業存続が難しくなっていた。

MRJのもう一つのライバル、ブラジルのエンブラエルもボーイング傘下となっていて、事実上2社とも経営破綻した。


それだけ100機以下の小型旅客機メーカーは経営が厳しいということで、MRJの将来も簡単ではない。

三菱重工はMRJの名称をスペースジェットに改め、国内生産から米国での生産に切り替える方針を示している。(国内生産も継続する)

世界の小型機市場が低迷し予定した販売数に達しないので、コストダウンと米国で販売強化する必要が生じた。



ビジネスを引き継げれば年数十機の買い替え需要


CRJの受注生産は2020年後半に終了するので、MRJにモデルチェンジする形でユーザーを引き継げるかがカギになる。

CRJは現在世界で約1900機が飛行しており、最初の引き渡しは1996年だったので今後買い替えのタイミングを迎える。

旅客機の平均耐用年数は約20年と言われているので、今後年間50機以上CRJ買い替えが発生するでしょう。


この時にMRJがCRJと同様の顧客サービスできる体制が整っていれば、買い替える年50機以上を丸ごと受注できる可能性が高まる。

買収によって三菱重工はボンバルディアの保守、カスタマーサポート、改修、マーケティング、販売機能と、型式証明を継承する。

米国の3つのサービスセンター、カナダの2か所のサポートネットワーク拠点も三菱重工が引き継ぐ。


CRJは78席のCRJ700、90席のCRJ900、104席のCRJ1000の3機種があり、エンブラエルもこうしたラインナップを揃えている。

MRJは当初90席のみだったが、顧客の要望に対応できなかったので76座席のM100を開発している。

一般的には胴体を短くして座席数を減らすが、M100は同じ同体長で単にイスを少なくしたもののようです。


こうする事で一人当たりのスペースが広くなり、開発費も大幅に浮くと計算している。

確かに新たに設計するよりイスを取り払うだけのほうが、遥かに簡単でしょう。

リージョナルジェットと呼ぶ小型ジェット市場は、代替を含めて今後20年間で5000機以上の需要を見込んでいる。


ボンバルディア買収をきっかけに、MRJは世界的なビジネスに飛躍する可能性がある。

なお三菱重工は「MRJ」は開発時の名称で、スペースジェットは正式名なので改名はしていないとしている。

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