「工場を守れ」は合理性より老人のロマンが優先される
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画像引用:【電子版】米GM、北米5工場を操業休止 15%人員削減も | 自動車・輸送機 ニュース | 日刊工業新聞 電子版https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00497451



GDPの18%を「ご神体」のように敬う日本

少し前のニュースでホンダのイギリス工場が閉鎖され、トヨタや日産も縮小を検討しているというのがありました。

これに対するイギリスの反応は過剰なもので、イギリスは終わったという論調が多かった。

工場前でプラカードを掲げて撤退しないように懇願する人たちまで現れた。

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イギリスはEU離脱騒動で経済が混乱し、不況のどん底で失業者が街にあふれている。

というのが日本マスコミが言いたがる事だが、実際のイギリスはEU離脱決定後に景気が良くなった。

失業率はEU離脱国民投票時は4.8%だったのが2019年は3.7%と改善され、物価上昇率は2%程度と安定している。


失業率は史上最低で実質賃金は上昇し仕事が増え、GDP成長率は1%台だが対岸のフランスやドイツも同じくらいです。

つまりEU離脱でイギリスが打撃とか、イギリス経済不振はまったくのデタラメで、離脱決定後のイギリス経済は好調です。

じゃあどうしてホンダ工場の前で「イギリスは終わった」と叫ぶ人がいるのかですが、製造業への信仰や神話のようなものが存在します。


産業革命のイメージが強かったせいなのか、経済力=製造業という考え方を持つ人が多く、これはイギリスだけに限らない。

日本の産業構成比で製造業のシェアは年々低下し現在は18%、サービス業より少なく小売り卸と同程度になっている。

製造業は日本のGDPの2割以下なのに、経団連主要ポストを占め、安倍首相自ら「ボーナスを上げろ」などと指示しています。


トヨタや日立の正社員のボーナスは最初から高額なので、総理に上げてもらう必要はないのに特別扱いされている。



製造業は過大評価されやすい

日本の輸出が下がると大騒ぎする評論家とマスコミは、輸入には一切関心を持たず報道もしない。

製造業よりGDP貢献度が高いサービス業では、輸出より輸入に大きな影響を受け、個人消費も輸入の影響の方が大きい。

製造業全てを合計しても日本経済の2割に満たないのに、「製造業こそ日本経済だ」「日本は輸出で成り立っている」と考えている人が多い。


アメリカも同様で、トランプは貿易赤字解消をスローガンに外国と戦っているが、まるで経済を理解していない。

アメリカは安い外国製品を輸入することで、いわばベトナム人や中国人を超低賃金で働かせている。

アメリカでベトナム人を時給1ドルで働かせたら違法だが、ベトナムで働かせる分には問題にならない。


アジアの安い労働力を国外で働かせる事で、アメリカ人は贅沢三昧の生活ができている。

もしインドやアフリカからの輸入を減らしたら、年収1億円のビジネスマンが代わりに時給1ドルの仕事をしなくてはならなくなります。

貿易赤字、経常赤字こそアメリカの豊かさを生み出しているので、アメリカの製造業が衰退しても良いのです。


デトロイトで製造した自動車を乗り回すのは、もはや老人のノスタルジーでしかない。

製造業は「自動車」のように形を伴うので、過大評価されやすいか、経済的な価値は年々低下しています。

イギリスの工場労働者はホンダの工場を辞めても、代わりの仕事はいくらでもある。

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