両国は互角に見えるが、中国は経常赤字でGDPマイナス転落の瀬戸際
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画像引用:https://www.aljazeera.com/mritems/Images/2019/6/29/a7e5a85df7534d2eb18da46f57d441a1_18.jpg



米中は互いに見せかけだけの譲歩

大阪のG20では対立する米トランプと中国の習近平が各国首脳と会談して外交戦を行った。

米中首脳会談も実現し、米側は予定していた追加関税を見送り、ファーウェイへの制裁を解除すると約束した。

これを見ると中国側の勝利で終わったようだが、こまかく内容を見るとそうとは言えない。

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まず追加制裁見送りだが、すでに中国の全輸入品に25%関税が適用されていて、これは解除されない。

トランプはツイッターで、中国が譲歩しないとさらに上げると言っていて、30%から50%になる可能性があった。

ファーウェイについては全ての米国企業とのあらゆる取引禁止の制裁が科されていました。


米商務省は5月からすでにファーウェイとの一部取引を再開し、さらに少し制裁を緩和する。

米商務省は米国に安全保障上の危機をもたらす企業として「エンティティー・リスト(EL)」を作成しファーウェイを加えているが、これは解除されない。

今回緩和されるのは「一般的に入手可能な汎用品の、米国からの輸出」でファーウェイからの輸入は認められていない。


相変わらずファーウェイはアメリカでスマホや通信装置を販売できず、アンドロイドやウィンドウズも使用できない。

スマホOSのアンドロイドは現在のライセンスが切れると更新できなくなり、ウィンドウズも同様に使えない。

トランプの制裁緩和は、ファーウェイの将来に希望を与えるほどのものではなかった。



中国は経常赤字転落で米国優勢

このわずかな譲歩と引き換えに中国は中断していた米中貿易交渉を再開し、市場開放を進めると発言した。

エネルギーやサービス業で外資の参入規制を緩和、例えば外資は中国で映画館を開店できるが、中国企業と合弁でなくてはならないのは同じ。

中国の貿易黒字は2008年に2,954億ドルだったが、2018年は3517億6000万ドル、増えてはいるが世界貿易での比率としては減少している。


2008年の経常黒字は4,261億ドルだったが、2018年は500億ドル以下に急落し、1月から6月は283億ドルの赤字でした。

2017年までは1500億ドル前後の経常黒字だったので、米中貿易戦争が始まったころから貿易外の赤字が急増しています。

アメリカなど外国から中国に投資されると中国の黒字になるが、逆に外資が撤退し参入しなくなれば赤字に転落する。


中国に参入した外資が本国に支払う配当や利益は中国の赤字になり、外資の参入減少と撤退で急激に国際収支が悪化したと見られる。

加えて中国から東南アジアへの工場移転が起きており、中国企業ですら国外に脱出している。

これは90年代に日本で起きた生産の海外移転と同じで、コスト高で採算が合わなくなったためです。


中国の一人当たりGDPは年6000ドルを超え、もう安価な製品を輸出して利益を得る事は出来なくなりました。

そうした時期に米中貿易対立で制裁を受けたので、欧米企業の中国投資が減少しました。

IMFは今後2年で中国は経常赤字になり、その後もずっと構造的な経常赤字が続くと予想している。


アメリカは色々な対抗策を中国に打てるが、中国はGDPがマイナスになるかの瀬戸際で、打てる手があまりない。

米中対立は、中国の敗北で終わるよりほかになさそうです。

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