WTO紛争処理上級委員会メンバーは3人、最後はこの3人の気分次第
韓国は中国代表、日本はアメリカ代表を味方にしようとするでしょう
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画像引用:https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kawase/data/05_table_2.png



韓国はWTOで中国に支援を求める

19年7月に日本政府は韓国への半導体原料輸出規制(優遇措置撤廃)を決め韓国は強く反発している。

日本に不当な輸出規制への謝罪と規制撤廃を求め、日本に対して命令口調で抗議している。

韓国は日本との協議を強く求め、代表団が東京に来て経産省官僚と話し合ったが、一方的に抗議して終わった。

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同時に韓国は世界貿易機関WTOでの提訴を目指していて、スイス・ジュネーブの本部で抗議運動を展開している。

抗議活動は成功し7月23日の一般理事会で、日本の韓国に対する半導体材料の輸出規制を議論する事になった。

一般理事会はWTOに加盟する全164カ国全ての代表が参加し、多くの議論の中のひとつという位置づけになる。


一般理事会で日本は安全保障上の懸念から必要な措置を講じたと主張するでしょう。

これは米トランプ政権の対中規制と同じ言い方で、アメリカも「安全保障上の懸念」からファーウェイを規制している。

規制した3品目は軍事利用可能な軍需物資であり、アメリカの規制はスルーで日本だけ問題にはならないでしょう。


WTOでもし日本は違法と断定されるとどうなるかは気になるところで、例えば以前中国がレアアースの輸出規制をしていました。

中国は2010年に環境問題などを理由にレアアースの輸出制限をしたが、2014年にWTO上級委員会が違法と認定しました。

日本、アメリカ、EUが2012年に中国を提訴し、2014年に違反の決定が出て、中国は2015年に輸出規制を撤廃した。



WTOの紛争処理は機能不全

WTOの紛争処理は小委員会と上級委員会の二審制で、審議には2年程度かかり機能不全に陥っている。

WTOの貿易紛争は提訴が非常に多いのに、上級委員会は7人のうち4人が欠員で3人だけで全案件を処理している。

こうなったのも米中対立の影響で、トランプ政権はWTOが中国の味方をしているとして、協力を拒否している。


韓国は福島産など東日本産水産物の輸入禁止を続けていて、日本政府はWTOに提訴したが2019年4月に敗訴している。

話は簡単で現在の上級委員は3人しかおらず、アメリカ、インド、中国から一人ずつとなっている。

このうち一か国でも反対あるいは賛成を強く主張したら、それほど強い意見を持たない2人はそれで良いと考えるでしょう。


日本産水産物の審議では中国が、日本の要求を却下するよう強く主張したのは確実です。

中國代表上級委員の任期は2020年11月30日で、この日までに提訴された案件は、退任しても同じ人物が最後まで審査する。

したがって韓国は2020年11月30日までに日本を提訴すれば、中国の支持を取り付けて日本に勝訴する可能性がある。



WTOで判決後も報復合戦が続く

この日までに提訴できなければ韓国が勝訴する可能性はゼロになります。

日本としては中国に制裁を科しているアメリカと協力し、WTO改革を主張して場合によってはWTO脱退も視野に入れる必要があります。

WTOの国際裁判所などといっても、委員への賄賂と代表している国の利権で判決を出しているだけです。


さてもし韓国が提訴して日本敗訴の決定が出て従わないと、日本は第二次大戦のように連合軍の空襲を受けるのでしょうか?

そのように考えている人も居るが、WTOで敗訴した国はさまざまな手段で相手国に報復し対立は永遠に続きます。

EC・バナナ輸入事件、EC・ホルモン牛事件、ブラジル・カナダの航空機輸出補助金などは判決後に報復合戦が拡大し、互いに相手を提訴しあった。


WTOで判決が出て終わりではなく、さまざまな手段で判決を無効化し、別な名前の法律を作ったり、見えない規制を作ったりします。

中国のレアアースも輸出制限は撤廃されたが、「今年はレアアースが不作だったよ」とか何とでも輸出を減らす口実は作れます。

実際韓国の水産物輸入制限は日本による半導体原料輸出制限という報復を招いてしまいました。


このようにWTOの判決で何かが解決する例はほとんどなく、どちらかが完全にギブアップするまで報復合戦が続くのです。

仮に日本が敗訴しても日本側は別な理由で半導体原料を規制したり、別な品目で規制する事も可能です。

たとえば米軍は日本の領海を通って日本の港や飛行場から韓国に向かっていますが「韓国支援目的での日本領海通過や基地利用を認めない」と言ったら面白いでしょう。


そこまでではなくても「韓国支援目的の米軍機への燃料補給拒否」という嫌がらせもできます。

日本は現在、韓国が希望しているTPP加盟を拒否していますが、韓国が提訴したら今後もずっと拒否するでしょう。


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