企業が払った賃金総額は増えたが、労働者の人数が増えたので、一人当たりでは減少した
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画像引用:17年の実質賃金、2年ぶりマイナス 物価上昇が影響:朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/photo/AS20180207000753.html



総賃金は増えているが、労働者の人数が増えた

安倍首相が就任してから2016年まで4年連続で実質賃金が低下し、2016年は増だったが17年と18年は減でした。

いずれも微増微減ではあるものの、6年中5年マイナスでプラスが1年だけなのは、紛れもない事実でした。

日本のGDPは国民総所得、つまり全国民の所得と企業所得の合計なので、全国民の賃金が減ればGDPも減ります。

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ところが2012年に500兆円未満だった日本のGDPは、2019年に540兆円まで増加しています。

ということは国民(外国人含む)全体として受け取った所得は増えたのに、なぜか実質賃金が減少しています。

この種明かしはひとつには富裕層や資産家が増え、労働者の賃金は増えないのに、全体の所得を押し上げている。


もう一つは国民総所得の半分は企業の所得で、内部留保などになり、労働者の賃金としては配分されていない。

3つめは最大の原因で、労働者の人数そのものが増加し、総賃金は増えたのに一人当たりで減りました。

日本の就業者数は1995年をピークに減少したが、安倍首相が就任した2012年に上昇に転じ、過去最高の約6800万人に達しています。


増えた労働者は女性、高齢者、外国人で、特に25歳から54歳女性の就業率は72%に達し、アメリカ女性も上回っています。

都市伝説としてアメリカに専業主婦はおらず全員が働いているという話がありますが、実際には働いているアメリカ女性の割合は日本より少ない。

外国人労働者は146万人だが在留外国人数は241万人(特別永住者除く)、実際にはこの多くが何らかの労働をしている。


高齢労働者も増え続けていて、平成元年の全労働者に占める高齢者比率は5.5%だったが、現在は12%になっています。



女性、外国人、高齢者の賃金は増えた

GDPを見れば企業が支払った賃金総額は増えたのだが、それ以上に労働者の人数が増えたから、1人当たりの取り分が減りました。

アベノミクスの柱はGDPを増やす事だったが、残念ながらその方法は労働者の人数を増やす事でした。

1960年代の池田内閣は10年間で国民所得を倍増するという目標を掲げ、この期間に労働賃金も2倍以上になりました。


60年代は出生率が高く人口も増えていたので、人口増に加えて賃金が2倍になり、相乗効果で大変な高度成長となりました。

現代は労働者の人数は少し増えたが、1人当たりの賃金が減少してしまい、結果として年1%前後の経済成長しかしていません。

アベノミクスが家計に与えた影響ですが、家族構成によって貧富の差が生まれました。


お父さん一人だけが働く世帯では6年間にお父さんの給料が減少し、貧しくなってしまった筈です。

だがお母さんや祖父母も働くようになった世帯では、1人当たり賃金が減少しても6年前より豊かになったでしょう。

単身世帯では収入が減った筈ですが、人手不足で失業率が減り、収入を得ることができた人も多い。


アベノミクスの6年間は、大家族で多くの労働者が居る世帯は豊かになり、労働者が一人しか居ない世帯では貧しくなってしまったのです。

こうしたやり方に反発を抱く人も多く、GDPは増えたのに自分の収入が減ったのは確かに面白くないでしょう。

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