第二次大戦前のアメリカの要求は「満州を半分よこせ」でした。
合理的に考えれば中国や満州をアメリカと分割するか共同統治すれば良かったのです。
DKK
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愛国者は自分の支持者に縛られる

世界で外交対立が目立っていて、日韓日中日朝、米中米欧など主要国同士が挑発合戦をしている。

アメリカと独仏は貿易ルールを巡って紛糾し「制裁関税だ」「やるならやってみろ報復だ」と罵りあっています。

トランプ大統領はうまく中国を挑発し、挑発された習近平は報復や「毅然とした態度」を取らざるを得ない。

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だがこれは恐らくトランプの罠で、冷静に考えれば中国は30年前の日本のように譲歩して、アメリカとの貿易を続けたいはずです。

だが習近平は愛国者として国民から支持されているので、トランプが挑発するほど「毅然たる態度」をせざるを得ません。

国内の支持が外交上の圧力になり、間違った決定をしてしまった例は歴史上枚挙にいとまがない。


ロシアのプーチンも欧米から経済制裁されているので、合理的に考えれば譲歩して手打ちして経済再生を図るしかない。

だがプーチンも国民の支持が高い愛国者であるため、絶対に譲歩できず空爆や侵略を続けざるを得ません。

日露交渉にしても北方領土のゴミ同然の2島をくれてやれば、安倍首相は喜んで日露平和条約を結び経済援助したでしょう。


2島返還してもロシアが奪った千島列島と樺太の9割はロシアのものなので、外交戦でロシア圧勝となる。

だがプーチンは愛国者としての自分の仮面を剥がされたくないので、何も譲歩できないのです。

トランプにも同じことが言え、本当は譲歩したほうが良い場合でも、愛国者であるため絶対に譲歩できない。


こんなバカな理由で世界を巻き込む大戦争が起きたのが、第二次世界大戦でした。



ヒトラーも愛国心に縛られて暴走

大東亜戦争あるいは第二次世界大戦は、ヒトラーという熱烈な愛国者がドイツを救ったところから始まりました。

第一次大戦でたまたま負けたドイツは、英仏によって「侵略者」や「犯罪者」に仕立て上げられ、絶対に支払えないほどの賠償金を背負わされた。

イギリスは乗り気ではなかったがフランスは二度とドイツが立ち上がれないように、差別的な戦後賠償を課しました。


ドイツ人は全員がホームレスのようになり、絶望的な気持ちになっていたところへヒトラーが登場した。

ヒトラーが首相から総統になるや打つ手すべてが成功し、昨日まで世界最貧国だったのがあっという間に欧州最強国家に返り咲いた。

ここでもしヒトラーがケネディのように倒れていたら、今もヒトラーはドイツの英雄だったのかもしれません。


不幸にしてヒトラーはドイツが再興してからも健在で、しかも熱烈な愛国者であり続ける必要がありました。

英仏に匹敵する大国に復活したのだから、もうやめておけばいいのにポーランド、フランス、イギリス、ロシア、アメリカにまで戦争を吹っかけた。

内心ヒトラーは誰かに止めて欲しかったのかも知れないが、愛国者としての自分を捨てることができなかった。



大東亜戦争は10年辛抱すれば良かった

さて日本ですが、日本は明治維新後に日清日露戦争と連勝し、日本は無敵であるとの妄想を抱くに至った。

これも自らの愛国心に縛られた結果と言え、日露戦争中に冷静に「日本は負けるのでロシア語を勉強します」などと言ったら袋叩きにされたでしょう。

日露戦争に勝った時点で日本は既に冷静ではなく、勝つことしか眼中になくなっていました。


日米戦争のそもそもの始まりは大正・昭和恐慌からNY大恐慌の不況を回復するため、満州を開拓するという経済政策と食糧増産でした。

だが満州には中華民国が局地戦を仕掛けてきたり、大量の中国人を潜入させたので日中戦争に至った。

中国と戦っているとアメリカが「俺に中国を半分よこせ」と言ってきたので断り、しつこいのでアメリカとも戦争になった。


つまり経済政策として満州を開拓したら中国と戦争になり、中国と戦争をするためにアメリカと戦争になったのです。

当初の目的だった経済対策と食糧増産は失敗し、日本から満州や中国戦線に物資を送る始末でした。

合理的に考えれば不況を軍事行動で解決できないのはあきらかで、経済政策で解決しなくてはならなかったのです。


日米戦争そのものも不要で、例えばもう5年我慢すれば原爆が実用化し、10年我慢すれば日本も核武装できた。

軍部は「原油が枯渇しないうちに戦争する必要があった」と言っていますが、アメリカに中国を渡し満州は共同統治にするなど方法はあったのです。

これも愛国心が外交を縛った類で、当時の政治家は愛国心が売りだったので、国益上必要な譲歩ができなかったのです。


当時日本の政治家が「アメリカに中国を渡して譲歩する」決定をしたら、売国奴呼ばわりされたでしょうが、政治家は国の為に売国奴の汚名も引き受けなくてはなりません。

愛国心で政治家を縛り、政治家がカッコいい事だけやっていると、重大な決定で間違える事があります。


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