中国は人民元を安く誘導しているのではなく、下落するのを買い支えている
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中国経済悪化で人民元への売り圧力

中国の人民元は対ドルレートで節目の7.0を上回る元安で、7.16で推移しています。

ドル円は金額が上がるほど円安なのと同じで、ドル人民元も6.5より7.0の方が元安が進んだことになります。

人民元は日本円と違って固定レートで、中国人民銀行が決定したレートで必ず取引されています。

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この仕組みは基準値より元安が進むと人民銀行がドル売り元買い介入し、元高になると人民元売りドル買いして維持しています。

ドル買いする元手になる人民元は、自国で発行するだけなのでコストゼロだが、人民元を買うにはドルが必要です。

したがって中国にとって現安に誘導するのは造作もないが、安くなった人民元を買い支えるには莫大なコストがかかる。


今中国が直面しようとしているのが人民元安で、値崩れした元を買い戻してレートを維持するには、数100兆円分のドルが必要になる。

市場関係者が注目する節目は7.0ではなく10.0で、1ドル10元以上になったら人民元大崩壊が待っている。

トランプ大統領やアメリカは以前から「中国は人民元を不当に安く誘導して貿易を有利にしてきた」と批判していました。


だがこれはおかしな話で、中国のGDPは以前から「不当に高く計算されていた」疑いが強い。

統計の数字をいじくってGDPを高く見せかけた国の通貨は、経済原理では安くなるはずです。

例えば日本政府が安倍首相に忖度してGDPを2倍高く発表したら、為替相場でそのウソが調整され、円の価値は半分に下落する筈です。



人民元下落をささえる外貨準備はなし

実際2015年に人民元は下落しましたが、中国の外貨準備高は4兆ドルから3兆ドルに減少しました。

これは中国政府が下落する人民元を買い支えるのに、約1兆ドル(110兆円)も使ったのを意味しています。

2015年から16年にかけて人民元は6.2から6.9に下落したが、これでも1兆ドルで人民元を買え支えていた。


もし1ドル10元のような元安を買い支えようとすると、数百兆円や1000兆円分ものドルが必要になり、それは不可能なのです。

現在1ドル7人民元が8や9になり10に近づいたら、人民元崩壊の可能性が非常に高いと言える。

中国といえば世界の工場と呼ばれ莫大なドルを稼いで外貨が余っている印象を受けるが、実際はそうではありません。


2018年の中国の経常黒字はGDPのたった0.4%で、日本の3.4%よりも少なく金額でも日本の経常黒字の1/3以下に過ぎません。

実際2018年上半期は経常赤字だったのだが、下半期に盛り返して少し黒字にしていました。

人民元を買い支える資金源は外貨準備だが、経常赤字ではいずれ外貨準備ゼロになってしまいます。


経常赤字国は外国で借金して外貨準備に充てているが、中国もそうせざるを得なくなり、対外債務が対外資産より多い「純債務国」に転落します。

実は中国は既に純債務国だとも言われていて、対外資産に比べて対外債務が非常に多い。

日本は正反対に対外資産が有り余って困っていて、アフリカやアジアにばら撒いています。


こうした違いがあるので世界経済危機が発生すると、日本円が買われて円高になり、人民元は売られて元安になります。

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