米中は合意を発表したが内容は農産物輸入と新たな制裁の延期だけだった
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画像引用:https://www.aljazeera.com/mritems/imagecache/mbdxxlarge/mritems/Images/2019/10/14/00c25885c52f4905a386e4374ea86e24_18.jpg



合意なき米中合意

アメリカと中国はワシントンで行われていた貿易協議で、10月11日に合意に達したと発表しました。

合意は第一段階の合意で中国は米農産品を購入するほか、知的財産権、為替、金融サービスでも合意した。

一方で合意の文書化には最短5週間かかるとしていて、11月後半になると見られている。

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これほど文書化に時間がかかる筈がないので、実際にはまだ何も合意しておらず、とりあえず「合意した」とだけ発表した可能性がある。

第一段階の合意という言葉も最低限の合意という意味で、第二段や第三段に期待するという意味です。

ファーウェイへの制裁が解除されるのではないかと噂があったが、ライトハイザー代表は協議しなかったと語った。


結局発表されたのは中国の米国産農産品輸入と米国の新たな制裁発動延期だけで、パフォーマンスという意味合いが強い。

中国側の国内向け発表では合意という表現を使わず、進展があったと述べただけなのでこれが真相に近い。

トランプ大統領は例によってツイッターで煽り、「米国の農家は大きなトラクターを買え!」などと書き込んでいた。


冷静に考えると文書化して署名するのは11月下旬なので、またトランプ大統領が反故にして新制裁を課す可能性がある。

米国は11月15日に予定していた対中関税率の引き上げを延期したが、12月にはまた別の対中関税引き上げを予定している。

米中が合意したのは11月分の関税引き上げだけで、12月分はなにも話し合っていない。



中国の景気後退とトランプの弾劾


トランプと習近平はそれぞれ、中身はなくても貿易対立を休戦したい理由を抱えていました。

中国税関総署が発表した9月の貿易統計によると、輸出は前年比3.2%減少で輸入は前年比8.5%減少だった。

特に輸入の落ち込みが激しいのは国内の経済活動は弱く消費も縮小しているのを示している。


1月から9月の対米輸出はドル建てで前年比10.7%減少、米国からの輸入は26.4%減少した。

輸出入とも前年より2桁減少ということで、米中双方が互いに制裁した結果貿易額が縮小した。

米経済メディアブルームバーグによると中国の2019年下半期成長率は6%を下回る見通し。


19年上半期の成長率6.3%からは急降下し、来年2020年の成長率予想も5.6%と6%割れが予想されている。

中国政府は金融政策と財政出動で乗り切ろうとするが、中国の債務は限界に達しつつあり債務懸念も出てくる。

今後中国は低成長と債務の膨張に苦しみ、人口減少もあって長期間経済低迷が続く。


中国は米国に徹底抗戦したいが国内経済はボロボロで、ここで休戦せざるを得ない。

一方の米トランプはウクライナ疑惑で弾劾調査を受けており、交渉成果をアピールして世論の支持が欲しい。

トランプの外交成果はトウモロコシを何トン輸出したのように非常にセコイ事で、ツイッターで毎回自慢している。


米中双方の事情で見せかけの合意が発表されたが、11月15日の対中制裁発動までにまたひっくり返る可能性がある。

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