奇妙なことに貿易黒字が増えれば増えるほど日本は不況になっている。
これは輸出のために低賃金長時間労働を強いられているから
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画像引用:http://3rdworldman.jugem.jp/?eid=46 超長期貿易収支推移 _ 経済社会を知りたい:経済ニュースの背景をグラフで易しく解説します



”日本が輸出で成長した”は作り話

日本経済はコロナで打撃を受けている一方で株価は急上昇し、30年に及ぶデフレ不況からの脱出が期待されています。

2020年の日本は3年ぶりの貿易黒字で、コロナを除くと2017年を最後に日本は貿易赤字国になった。

そしてこの貿易赤字が日本再生の切り札で、貿易黒字こそデフレ不況の根本原因だったという話です。

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日本の貿易収支が黒字で定着したのは1970年のオイルショック以降で、燃費が良く壊れず安い日本車が世界で飛ぶように売れました。

こう書くと輸出が日本の経済成長の原動力だったようだが、高度経済成長は1955年から1973年までの期間で貿易は必ずしも黒字ではなかった。

1970年から1985年まで日本は輸出で大儲けしたが、80年代に入ると対日貿易赤字が表面化し日米対立がおきました。


日本の輸出が順調だったのはわずか10年間で、80年代は輸出が原因で世界でジャパンバッシングが巻き起こりました。

1985年のプラザ合意は日本経済への死刑判決と呼べるもので、G7で円高誘導が合意(実際にはアメリカによる命令)しました。

プラザ合意の結果1ドル260円が3年後に120円になり、現在でいうと1ドル120円が3年で40円になったような感じでした。


この難局を乗り切りる為中曽根総理は内需拡大を始めバブル経済を引き起こし、黄金の80年代とバブル崩壊も引き起こした。

1990年にバブル崩壊し30年後の現在までずっと不況、これから運が良ければ立ち直るという話です。


この一連の失敗の原因は貿易黒字であり「輸出国家」という妄想が招いたものでした。



輸出国家なんか幻想にすぎない

第二次大戦の原因は1929年のNYバブル崩壊で、経済崩壊した列強は貿易を封鎖してブロック経済に移行しました。

今考えると世界は逆に貿易を増やしたほうが経済回復するのに、当時はまったく逆に考えられていました。

貿易が増えると外国製品の輸入が多くなり、自国の製品が売れなくなって経済的打撃を受けると考えられていました。


今もこういう古典的経済論を唱える人が居ますが、「輸入は損」だから市場を閉鎖したのです。

一方で「輸出は利益」なので列強は植民地獲得に走り、日本は満州を開発して日本製品を買わせようとしました。

第二次大戦は各国が輸入を減らすため市場を閉鎖し、一方で輸出を増やすために領土を増やそうとした結果起きました。


それから70年以上が経ち、現在は世界のGDP上位国のほとんどが貿易赤字、黒字は日独中だけです。

輸出国のほとんどはアジアの新興国で、新興国と言えば聞こえは良いが貧しい工場労働者の国が多い。

一方で輸入国は貿易赤字なのに日本人より遥かに良い暮らしをしていて、労働時間は短く給料が高い。


輸出が利益で輸入が損という考え方が間違っている証拠で、貿易とは「お金と労働力を交換する行為」と言い換えることが出来る。

トヨタがアメリカに300万円の車を輸出すると、時給2000円だったら日本人は1台の車に延べ1500時間働いている筈です。

アメリカ人は300万円払って車を買い、ドライブを楽しんだり仕事に使ったりして平均10年以上使います。


もしアメリカ人が車の輸入をやめると、日本人労働者のように低賃金長時間労働をしなくてはならずアメリカのGDPは低下します。

スマホではもっとそうで、アメリカがスマホの輸入を辞めたらシリコンバレーの年収1000万円労働者は、時給300円でスマホを造らなくてはならなくなる。

このように貿易赤字国は割りに合わない製品を低賃金国に作らせて、自分は割りの良い仕事に専念できるので生活水準が高い。


輸出立国には構造的な問題があり、それは貿易黒字そのものによって為替レートが変動し、国際的な対立を引き起こすという点です。

中国は今全世界から憎まれていて、遠からず輸出も貿易も経済成長も不可能になります。

日本は輸出によって円高になり、輸出企業によって日本人全員が苦しめられてきました。


むしろ日本は貿易赤字のほうが外国と対立せず円高にもならないので、他の先進国のように持続的な成長が可能になります。


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