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2008年、2013年に続いてまたバターが店頭から消えています。
農水省は表向き「去年の猛暑のため」と説明していますが、夏なんてものは毎年暑いに決まっているのです。
本当の理由は農水省が間違った需給予測を立てて、生産を減らしたからでした。
農水省がバター生産を辞めさせた
国産バターの原産地は、北海道産バターが半分以上を占めている。
バターは畜産保護の為、2倍程度の関税が掛けられ輸入が制限されていて、商社などが勝手に輸入することはできない
今年5月、農水省がニュージーランドから7千㌧の緊急輸入をしました。
10月に再びバター3,000トン、脱脂粉乳10,000トンの追加輸入を年末までに実施すると発表しました。
生乳を生産する酪農農家は毎年減少しています。
北海道では10年前は9000戸の農家が居たのに、今年は6900戸でした。
乳牛は10年で6万8000頭も減少しました。
原油高、飼料代の上昇、原発事故以来の電気代値上げ、加えて円安による輸入価格上昇と、良いことは何もなく次々に廃業しました。
年末にかけてケーキの製造で大量のバターを消費する洋菓子業界は対応に苦心している。
既にバターを使うケーキでは一日の販売個数を制限したり、一人当たりの購入を1個のみにしたりしている。
無ければ輸入すれば良いのではないかと思いますが、日本政府がバターの輸入を禁止しているのでできません。
バターは2008年にも不足していたが、この時の理由はなんと、農水省がバターは余っているとして減産を指導したからだった。
その後も農水省は、今後バターの消費量は減るとして酪農農家には原産や廃業を指導しましたが、予想に反して国産バター需要は減少しませんでした。
国産バターを減らした犯人は日本政府でした。
バターが無くなった理由
長期的にバターが不足する原因は、農水省の指導と農家の廃業でしたが、今年特に不足した理由が他にある筈です。
牛乳は各都道府県で生産され学校や商店に毎日配られている。
北海道から本土までは船で輸送し日にちが掛かるため、牛乳ではなくバター、脱し粉乳に加工して保存性の良い形で出荷している。
こうして牛乳やユーグルトは各都道府県で、バターは北海道で分業する生産体制が出来ていきました。
バターの50%以上が北海道で生産されていますが、去年の猛暑で北海道では生乳の生産量が少なかった。
くわえて毎年酪農農家は少しずつ減少しているので、自然減も見逃せない。
だが猛暑とは言っても全国的に生乳生産量は2%減少にすぎない。
北海道でも生産量は前年比2.6減少といったところで、何とかなりそうなものである。
これには乳製品の生産順位が関わっている。
生乳を絞ると真っ先に牛乳になって学校やスーパーに出て行く。
次にヨーグルトなどになり、余った分を保存しておいてバターを作っていた。
牛乳は当日に出荷しないといけないが、バターにする分は冷蔵庫に入れて置けば良いので、後で調整する習慣になっていました。
ここに再び農水省が余計な介入をして、バターよりチーズに優先的に生乳を回すように指導しました。
なぜなら農水省の予算でチーズ工場を建てて稼動したからで、100%役所の都合です。
建設したチーズ工場の稼動が悪かったら、自分の出世が遅れてしまいます。
減少した2%分が全部バターに降りかかってきたのでした。
2013年の北海道のバター生産量は前年比7.5%減の5.3万トンになりました。
それならば、去年のうちに5万トンを買い付けておいて今年輸入すれば良かったのではないか。
誰しもそう思いますが、バターは畜産業保護の為に商社が勝手に輸入するのは禁止されています。
バターを輸入できるのは農林水産省だけで、最ものろまで働かない人間が揃っています。
こうして問題が1年間放置されバターが店頭から消えました。今頃になって追加輸入すると言っています。