中国に国会は無い。全人代を中国の国会と呼ぶのは辞めてほしい

全人代が開幕
第14期全国人民代表大会の第1回会議が北京で23年3月5日に始まり、経済成長率を 5%前後、軍事費を7.2%増と発表した
全人代を『日本の』国会に相当すると解説している日本メディアが多いが全人代は民主主義国の議会とはまったく違いロシアとも違う
国会は法案を審議し決議を行い多数決で可決したものだけが採用され、否決された法案は採用されません
全人代は参加者全員が賛成するのがあらかじめ決められていて、反対意見を表明するのは許されずもし反対したら恐らく極刑になります
法案を審議や決定するのはもっと上の少数の人々で、全人代は決定したことを全国の代表や国民、マスコミに向けて発表する舞台たと言えます
その全人代は初日に23年度の国防費を前年比7.2%増の1兆5537億人民元(30兆円)と発表し、22年の7.1%増より加速させた
中国は台湾を攻撃し統一すると発表し日米欧が反発し、ロシアのウクライナ侵攻もあって防衛費を大幅に上積みしています
軍備増強の目玉は各種ミサイルと新型空母で、電磁カタパルトを装備した新型空母「福建」を進水させています
李克強首相は『習近平強軍思想』に基づいてより一層軍備増強を進める方針を示しています
軍備増強を支えるのは経済力ですが中国の22年成長率は3.0%に対して軍事費の伸び率は7.0%と経済成長率を大幅に上回った
22年の目標成長率は5.5%だったが達成できず今回23年の目標成長率を5%前後に設定したが、軍事予算は成長率を上回る7%増になる
軍事費がGDPに占める比率は増加するがGDPは2000兆円以上なので1%以下、ただし中国は国内の治安維持費として30兆円以上、他に宇宙予算や技術開発などもある
隋の煬帝と変わらない世界観
中国が台湾に侵攻する前提として中国は民主主義国ではないので必ず日米欧などの世論を見誤ります
ロシアも22年月のウクライナ侵攻時に「欧州はロシア産ガスに依存しているから制裁できず、ウクライナ併合を承認する筈だ」と考えていました
中国も「中国は大国だから小国は大国に従うはずだ」と考えていて、こうした考えは中国高官の言葉の端々からうかがい知ることができます
中国指導部の考えでは欧州や日本は「中国が養ってやっている」のだから従うはずで、小国が大国に歯向かうなどあり得ないというものです
新型コロナ対策の総括でもそうした考えが表れていて、22年12月に人口13億人の半数を感染させる大失態を犯したのに李克強首相は「決定的な勝利を収めた」と発表した
西側の人々は中国政府の失敗をしっていて中国国民を知っているが「我が国は大国だから嘘をついても小国は従う」と考えています
中国が台湾に侵攻しても中国指導部は「大国中国が小国台湾を併合しても、他の小国はひれ伏して従うであろう」と考えている
現代中国指導部は隋の煬帝のような世界観で、昔聖徳太子の使いで小野妹子が「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という国書を渡した時代とあまり変わらない
小野妹子の国書は表向き丁寧だが「日出ずる処から日没する処に致す」と見下した形になっていて、日本国から中国への絶縁状で、この時以来日中はずっと対立している
小野妹子はただの使い走りではなく現代の外務大臣に相当し、国書も聖徳太子ではなく小野妹子が創作したという説があるが真相は分からない
現代中国の成長を支えているのは先進国の輸出と輸入、そして先進国の技術と先進国からの投資だが、中国は自ら先進国と敵対している
今後ますます対中制裁は強化され最終的に中国への投資を停止するところまで行くと、かつてのソ連と同じ孤立になります