経常黒字国は赤字国に工場や店舗を作り宣伝費なども使うので、赤字国は何も困っていません
むしろアメリカなど経常赤字国の成長率が高いほどです

”輸出で食べている”幻想はやめろ
かなり前に深夜の有名ニュース番組を見ていたら有名なニュースキャスターが「日本のGDPの半分が輸出です。日本は輸出で食べています」と突然言い出しました
後で訂正するのかと思って見ていたが最後まで訂正されず、誰もこれがおかしいのに気付いていなかったようでした
日本の輸出がGDPに占める輸出依存度は輸出が好調の時でも10%で通常は5%程度、最近は貿易赤字なので輸出はマイナスです
輸出を増やせば貿易黒字になって黒字分はGDPに加算されるが、かなりの大国になった日本でGDPの10%程度貿易黒字を稼いでも焼け石に水という感じです
安倍政権では訪日観光客誘致に力を入れ年間3000万人を達成し、政府は外国人が日本で10兆円を使ったと胸を張っていました
10兆円は誇張した数字だと思うがそれが事実だったとしてもGDP550兆円の国で外国人が10兆円消費するのは「誤差」に過ぎません
その誤差程度の収入の為に国を挙げて外国人を呼び込み、観光地に観光公害を起こす意味はあるのか非常に疑問です
観光公害が最もひどかったのは京都ですが、京都市長は「観光客が増えて色々な出費が増えて赤字だった」と明言していました
そして京都市の人口減少は全国ワースト1で、外国人観光客が増えれば増えるほど京都から住民が逃げ出しているのです
輸出もダメ、観光もダメな訳ですがでは欧米諸国はどうやって順調にGDPを増やしているのか非常に疑問があると思います
アメリカやドイツはともかくとして欧州のほとんどの国にはこれと言った技術も輸出品もないのに成長率は日本より遥かに高い
英仏はエアバス、イタリアはフェラーリなどがありますが、その他の欧州諸国の輸出品はせいぜい農作物程度です
欧州は経常赤字でも困っていない
東欧や主要国以外の欧州はすべて貿易赤字で多くは経常収支も赤字、でも財政は日本より健全で成長率も日本より高い
「日本は輸出で食べている」発想の人には到底理解できないが、彼らは外国からの投資を受け入れて投資によって経済成長しています
アメリカは双子の赤字を抱えていて経常赤字と財政赤字なのですが、そんなのとは無関係にアメリカは経済成長を続けています
経常赤字や貿易赤字の国には黒字国からの投資があり、長期的には赤字額と投資額が釣り合って帳消しになります
日本はアメリカに対して経常黒字で貿易黒字ですが、儲けたドルをそっくりアメリカで再投資して日本には「非常事態でもない限り」送金しません
すると統計上は日本が儲かっている筈なのに実際にお金が増えているのはアメリカで、日本には自動車を売った代金すら送金されません
欧州のすべての国はドイツに対して赤字ですが、赤字の分ドイツから欧州各国に投資がありGDPが増えるからそれで良いのです
台湾の半導体製造企業TSMCが熊本に1兆円をかけて工場を建設し、第2弾も1兆円以上の投資をすると報道されています
第一弾の経済効果だけで5兆円以上と推測され第二弾も同等だとすると、日本のGDPを押し上げるほどの効果が見込めます
欧州諸国の多くもこうした外国からの投資で経済成長しているので、輸出が赤字でも誰も困らないし日本より健全です