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H3-1号機の失敗、今後も新型機の失敗は起きる

1段エンジンと補助エンジンに点火し離陸には成功した(23年3月7日)

画像引用:https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230307_n01/ H3ロケット1号機打ち上げ失敗、宇宙開発に打撃 観測衛星だいち3号喪失 _ Science Portal – 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」

繰り返された初期の不具合

23年3月7日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたH3-1号機は離陸したものの2段目ロケットに点火せず、指令破壊され失敗に終わった

1994年8月にH2ロケット2号機でも補助ロケットに点火しなかった事があり、22年10月には固体燃料ロケット「イプシロン」6号機が姿勢制御装置に異常が発生し失敗している

H2ロケットは2号機で不具合が起きた後も98年2月の5号機で2段エンジンが燃焼終了し失敗、99年11月の8号機でも1段エンジンが停止、2003年のH2Aは補助ロケットに穴が開いて指令破壊している

H2とH2A、H2Bを合わせて62回打ち上げて3回失敗(H2-2号機は成功とされている)なので、イプシロンを含めると15回に1回程度のペースで失敗している

特に新型ロケットの1ケタ台の番号で失敗が目立ち、H2A10号機以降の失敗はなかった(10回以上打ち上げたのはH2Aのみ)

では信頼性が高いH2Aと増量タイプのH2Bを続ける方が失敗しなくて済むが、日本政府とJAXAは3つの理由で新型ロケットを必要とした

1つ目の理由は打ち上げコスト削減だがこれは後で付け足した理由のように思われ、国民や世論に説明するために「打ち上げ費用が安くなりました」と言いたいのかも知れない

2つ目の理由が打ち上げ能力の不足で、スペースXや欧州や中国は次々に性能向上させた新型ロケットを開発するので時代遅れになってしまう

3つ目が真の理由と思われ、新型ロケットを今開発しないとH2を開発した技術者が引退し新たに開発できる技術者が居なくなってしまう

ロシアはソユーズ宇宙船を打ち上げたロケットの改良版を未だに使用しているが、まったくの新型ロケットを開発する能力を持っていないと思います

H2ロケット1号機は1994年、H1ロケットは1986年、 N-IIロケットは1981年、N-Iロケットは1975年、その前は東大などが1966年M-1ロケットを打ち上げています

日本は10年間隔で新型ロケットを投入しH2からH2Aまでは7年、H2AからH2Bまでは8年間、H2BからH3までは14年間となっています

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ロケット開発と寺社の修理は似ている

途中の2013年にイプシロンロケットがあり、JAXA+三菱重工ではないもののH2Aの技術が流用されたりし10年おきくらいに新型ロケットを開発するのが日本の宇宙開発のスケジュールになっていて、その最大の理由は技術を低下させないためだと言われて話は変わるがアメリカは戦後次々に新型戦闘機を開発し、およそ10年ごとに新型戦闘機を開発しています

F22の初飛行は1990年(試験機)でF35は2000年(A、B、Cタイプは2006年から2010年)、アメリカはF35からもう20年も「新型戦闘機」を開発できていません

こうなったのはオバマ大統領が「チェンジ」と言ってカッコよく戦闘機開発を縮小させたからで、アメリカはもう戦闘機の新規開発をできなくなっている可能性があります

アメリカの宇宙開発はNASAからスペースXに移行し、スペースXは次から次に新型ロケットを出していますが、逆に短期間で次々に出さないと技術を維持できません

法隆寺という寺があって数百年に一度大修理が行われ小さな修理は毎日行うが、必要がなくても何か触っていないと大工の技術が落ちてしまいます

伊勢神宮は20年に一度社殿を解体し立て直していますが、これは1人の大工が1世代に1回再建させることで技術を継承させる目的と言われています

沖縄の首里城が不幸なのは首里城を建てたり維持修理する大工が居ない事で、最後はセコムの業者に任せていたら火事で全焼した

一度技術が失われると完全に元通りに復元するのは不可能で、継承するには親父が現役の間に息子に経験させるのが良いという話です

ロケット開発もほぼこのようなもので、開発技術を継承する為には10年に一度マイナーチェンジ、20年に一度はフルモデルチェンジが必要になります

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