
23年は世界的な不況になる可能性が高い
23年の世界経済は悪化する
日本経済研究センターは半年先の景気後退確率を毎月発表していますが、ずっと90%台の高い確率で張り付いています
米格付け大手S&Pは3月に日産自動車の格付けをジャンク級に引き下げたが理由は日産自身ではなく欧米の景気後退で自動車が売れなくなるからでした
中国はゼロコロナ政策の終了でV字回復が予想されているが23年2月の物価上昇率は前年比1%に過ぎず、L字回復になるかも知れません
日本企業の主要市場である日米欧中すべて不況が予想されているので、23年の日本の景気はかなり悪化すると予想されています
新興国や後進国の成長率は先進国よりは高いが彼らは経済規模が小さいので、ベトナムやフィリピンの成長率が高くても救いにはならない
世界的な不況の連鎖を引き起こしている始まりはアメリカの利上げと考えられ、米政策金利は23年に6%台になると予想されています
アメリカは22年に最大時のインフレ率が前年比10%になり、利上げによってインフレ率を下げようとしたが苦戦している
2月のCPI(消費者物価指数)は前年比6.4%、前月比0.5%上昇で先月の0.1%上昇より加速してしまい、またFRBがインフレに負けたのが分かった
22年の秋ごろだったかFRBの責任者は「政策金利をインフレ率と同じにする」と明言していて、その通りなら今米金利は6.4%でなくてはならない
だが利上げは景気後退をもたらすので政治的に反対する人が多く、FRBは「あるべき金利」にできず、23年3月は4,75%に留まっている
リーマンショックを始めとする世界的な経済危機は米国が利上げする過程で起きているが、6%は世界経済危機を引き起こすのに十分です
2010年にリーマンショックが終息してアメリカの超低金利で世界にお金が供給され、中国も新興国もアメリカが供給したお金で経済成長した
富裕層消費で米インフレ率が下がらない
利上げはお金を回収する事なので外貨による借金に依存している国は米利上げで緊急事態に陥るでしょう
2007年から2010年の世界経済危機で中国が最大の利益を得たが、今回は打撃を受ける側になるかも知れない
最近中国は日米欧など先進国と対立し経済制裁を受けているが、2008年頃は先進国から歓迎されて救世主のように崇められていた
新たな世界経済危機が発生しても先進国は中国への制裁を強化するので、2008年頃とは事情が違い中国は苦戦するかも知れない
2008年に中国がアメリカや欧州へ数兆円規模の投資を発表したら大歓迎されたが、今は安全保障懸念で拒否されます
FRBは利上げを鮮明にしているがインフレ率が下がったら「利下げ」をするとも言ってるので、今回は2008年時ほど深刻にならない可能性もあります
その場合多くの国は循環的な不況に陥り脆弱な国は経済破綻するが、数か月で負の連鎖は止まり回復するでしょう
FRBを悩ませているのは皮肉にもアメリカが好景気な点で、富裕層の消費が止まらない為インフレ率が下がらず利上げを迫られている
資産100億円以上の人にとって金利がどうなろうと消費に影響を与えず、高級ブランドなどを毎日購入しています
中産階級以下のアメリカ人の生活は悪化し続けているのに数パーセントの富裕層の消費が衰えない為、インフレが収まりません