
現実はバスに乗っても村役場から何キロも歩かされる
悪夢のバス行政
10年ほど前に漫画家の蛭子さんと俳優の太川さんが路線バスで目的地を目指すテレビ番組があり、途中必ずバスが途切れて歩くのがお約束になっていました
あの番組で明らかになったのは日本には全国を結ぶバス路線が存在しない事で、村や市を超えるとバスはつながっていない
番組の約束事で高速バスと鉄道を使用しない事になっていて、そうするとバス会社が変わると停留所も別々で接続への配慮もされていない
全国でJRなど鉄道の廃線や廃駅が続いているがバス路線への転換を地元が嫌がるのは、事実上「バス路線」など存在しないのを知っているからです
線路は必ず他の線路につながっていて待ち時間を気にしないなら九州から北海道に行けるが、バスはそうではなく村や町や県が変わると分断されています
こんなのはおそらく全世界で日本だけで、北朝鮮ですら田舎から平壌までバスで移動するのを旅行記などで良く目にします
日本のバスは許認可制で自治体や国が厳しく審査して免許を出し、許可されたバス会社だけが許可された路線で許可された便数だけ運行が許されています
アジアやアフリカではどこかのおっさんの所有物の車がその辺に止まっていて、呼び込みに目的地を伝えると該当するバスに案内してくれます
アメリカは全国を網羅する巨大バス会社が複数存在し、あらゆる街にバスの待合所がありアメリカ中のどこにでもバスで移動できる(安いが恐ろしいほど時間がかかる)
日本の許認可制度の悪影響の一つが料金の高さで、なぜか鉄道や飛行機より遥かに料金が高い
東京大阪間などは高速バスが安いがもっと長距離になると格安航空便が安く、新幹線のほうが安い場合もあります
日本の過疎地にはバスの停留所があるが便数が一日数本なのはともかく、目的地のほとんどはその村の役場か良くて隣町までです
バスは国営化かJR・電力のようにした方が良い
過疎の村の役場が終点で他の町につながっていなかったり乗り換えが必要で、1時間ほどかけて一番近くのスーパーや大きな病院などに着きます
それでいて料金は片道500円以上(田舎は無駄に広いので路線距離が長い)なので近所に買い物に行くだけで往復千円以上になり誰も利用しません
日本政府は昭和後期から様々な民営化をし成功例もあったが失敗した例も多く、バスは完全な失敗に終わっている
日本のバスは都営や市営などの公営バスと民営バスに別れていて民営バスは市や県などの行政単位の中だけで運行している
蛭子さんと太川さんのように県境を越えるには歩かなくてはならず、経営も路線も分断されていてバス停も別々になっている
公営バスは東京都や大阪市など大都市は巨大組織になっていて労働組合の力が強く、京都や大阪では年収1200万円で非合法組織の人間が入っていると報道された
田舎の村営や町営などの公営バスは民間だと採算が取れないから公営なので100%すべて赤字、さっき書いたように路線は村役場までとかになっている(料金は1回100円だったりする)
料金が安い公営バスは赤字を自治体が負担していて、そうした自治体は例外なく高齢化が進んでいて自動車を運転できない高齢者が多い
日本のバスの問題としてまず自治体単位の運営に無理があり、もっと大規模に最小でも県単位、もっと広域の会社にした方が良い
大手電力会社やJRを「村単位」で運営しているようなのが現在のバス会社で、絶対に不可能なのに日本政府がごり押ししている
過疎地のバスが赤字なのは全国規模にしても変わらないが、どこかのバス停でバスに乗れば必ず全国のどこにでも行けるとしたら利用者はずっと増えるでしょう
料金や運行プランでも自由度が高まり日本のバスは発展すると思いますが、誰も問題意識すら持っていないようです