欧米の高インフレ率と高金利で見た目のGDPは上下するがやがて修正される

欧米の高いインフレ率
日米欧の金融当局者は高インフレと迫る不況、財政悪化などに悩まされていて毎日インフレ率を示す数字とにらめっこしている
欧米は一時インフレ率が10%にもなったが23年1月に低下し、景気悪化を避けられるという楽観論が台頭しました
インフレ率が予想より低下すると利上げしなくて済み、利上げは景気を悪化させるので利上げしなけら不況も避けられると読んだ
だが2月後半になると今度は期待したほどインフレ率が下がっていないのが明らかになり、FRBやECB当局者はやはり利上げが必要だと言っています
日本の植田新日銀総裁は国会で「金融緩和は必要で、終了すれば不況になる」と利上げに否定的な考えを示した
日本の2022年インフレ率は4.0%で2月のインフレ率は前年比4.2%だが、政府は23年のインフレ率を2%以下と低く予想している(日本政府は4月1日から3月末を1年としているので西暦2023年とは一致しない)
世界のインフレ率は2022年の8.8%から2023年に6.6%、2024年に4.3%と鈍化が予想されているが日本よりかなり高いので、日銀より高い金利に設定する必要がある
2つの通貨で金利差が大きければ高金利通貨が値上がりするがこれは一時的で、最終的には低金利通貨が高くなり高金利通貨が下落します
投資家の利ザヤ狙いなどで高金利通貨は一時急上昇するものの、メキシコペソやジンバブエドル、トルコリラのようにやがて下落していきます
欧米のインフレ率が予想より高く高金利が続きそうだという観測から、またドル高円安が進み3月初めは1ドル136円になっています
欧米の利上げが完全に終わるとこのターンは終了し、今度は円高ドル安に向かい10年後に1ドル100円を試すのではないかと考えます
日本のインフレ率4%の原因のほとんどはドル高円安で、2022年初めに1ドル114円だったのが10月に1ドル150円、実に31%も円安になり輸入価格が上昇した
むしろ輸入価格が3割上昇したのに国内の物価は4%上昇に留まっていて、円安から円高になると再び物価は下がるを考えます
重税でGDPが縮小している日本
フランスの2月インフレ率は7.2%と過去最高を記録しEU全体は1月に8.6%、ドイツは9.2%で以前として高いインフレ率が続いている
アメリカは1月に6.4%で予想ほど低下しておらずさらに利上げが必要で、アメリカが利上げすればまた一時的な円安が加速します
世界と日本の金利差が開くと円安になり、物価上昇率も日本はかなり低いので日本の見た目のGDPがこの1年で大きく低下した
だがこれは円高ドル安になれば勝手に回復する数字なので、日本が衰退したのとはあまり関係がありません
現在はドル高で物価上昇率も高いのでアメリカのGDPが増大しているが、そうした国の国力が増大しているのとは違います
日本政府の2023年度成長率見通しは+1.5%、IMF予想では日本1.8%となっているがここでも日本政府は4月始まり、IMFは1月始まりで予想しています
仮に23年に実質GDPが1%成長でもドル円が20%円高になるとドル建てで日本のGDPは21%も高度成長した事になるが、これも数字のマジックに過ぎません
2月に発表された日本の国民負担率47.5%でこの数字は実質的に日本の真の税率ですが、収入の半分を政府が奪っているため消費出来ない構造が浮き彫りになっている
47%を税金に取られて家賃や固定費や住宅ローンも払っているので、消費出来ないし子供を産むこともできなくなっています
国民負担率を減らすには税率を下げるかGDPを増やすしかないが、政府は増税を表明しているのでGDPを大幅に増やすしかありません
GDPを増やすには消費を増やす必要があるが、政府が多額の税金を徴収するせいで消費ができずGDPは縮小しました
この堂々巡りを30年続けています