SNSで侵攻を批判して自宅軟禁になっている学生

極超音速ミサイル「キンジャル」
3月9日にロシア軍による大規模ミサイル攻撃で計84発が発射され、ウクライナ軍はロシアの極超音速ミサイル「キンジャル」6発を迎撃できなかった
キンジャルは大型戦闘機に搭載されて空中で発射され最高速度マッハ10で最長2,000 kmを飛行する空中発射弾道ミサイル(ALBM)と呼ばれている
2017年12月に配備された新型ミサイルで、イスカンデル短距離弾道ミサイルと酷似している事から英軍は「イスカンデルの空中発射型に過ぎない」と分析している
射程2000 kmは母機MiG-31Kの戦闘半径を含めたもので、MiG-31Kは増槽2個で1,400km、さらに空中給油で2,200km飛行できる
元になったとされる地上発射型イスカンデル弾道ミサイルは480 kgの弾頭を搭載し最大500 kmの射程距離を持っている
短距離弾道ミサイルでも落下速度はマッハ10に達するのでウクライナが保有するソ連製防空システムでは迎撃が困難です
キンジャルは22年3月と5月に使用され23年1月にも使用したとされるが、それぞれ数発程度で在庫も限られているとみられる
キンジャルが命中したのはマンションや民間施設で成果は小さいが、ロシアは国内の戦意を鼓舞するような目的で極超音速ミサイルを使用している
ロシアのインフラ攻撃は間隔が長くなっていて3月9日は1か月ぶり、間隔が開く理由はミサイルの在庫不足と言われている
ロシア軍はウクライナ軍のハイマースや戦車、りゅう弾砲など多くの兵器を破壊したと発表したが、チェコの報道によると1/3は同国で生産した偽物だった
チェコ企業Inflatechは戦車などにそっくりのデコイ(空気で膨らませる偽物)を輸出していて、ロシア軍の戦果の1/3がデコイだったと公表した
デコイは200m程度離れると本物と見分けがつかず価格は数万ドル(数百万円)するが本物よりずっと安い
ロシア政府は自国民の少年を逮捕している
ロシア国内では圧倒的多数がプーチンやウクライナ侵攻を支持していると伝えられるがロシア人は世論調査やアンケートでも本心を明かさないので定評がある
ソ連時代からロシアでの投票やアンケート、調査の類は罠として良く利用されたからで、うっかり政府に批判的意見を述べた数十万人が収容所に送り込まれた
プーチンが権力を握った2000年以降はソ連時代と同じになり、アンケートで反政府的な意見を述べた多くの人が逮捕されたり不利益を受けている
ロシアの人権団体「OVDインフォ」によると13歳の少女が22年4月に学校でウクライナ支持の絵を描いたため、「青少年更生センター」に収容された
学校では特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)を支持する絵を書くよう強要されたが少女は反対の絵を書き、父親も捜査対象になっている
父親は別件でSNSへの投稿で3万2000ルーブル(約5万8000円)の罰金を科された他、自宅軟禁状態に置かれている
23年1月には19歳の女子学生オレシャ・クリフツォバがSNSでウクライナ侵攻を批判したとして逮捕され、足輪を装着されて自宅軟禁されている
ロシア政府はこの学生をアルカイダ、イスラム国、タリバンの兵士と同じテロリスト容疑者の名簿に加えた
22年2月の侵攻後には多くのロシア人が抗議デモをしたが、ロシア政府は「白い紙を持って立っていた小学生」「雪に戦争反対と書いた少女」などを次々に逮捕していた